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夜、布団に入って足が温まってくると、足の指がむずむずとかゆくなる。見ると指が赤紫っぽく腫れていて、靴をはくとジンジン痛む。そんな症状は、しもやけ(凍瘡)かもしれません。
しもやけは寒さと温度差で足の指先の血のめぐりが乱れて起こるもので、入浴後や布団の中で温まるとかゆみが強くなるのが特徴です(出典:岡山大学病院薬剤部「薬の窓口 No.371」)。対策の基本は「濡れた靴下をすぐ替える」「きつい靴を避ける」「冷えた足を急に熱くしない」の3つ。水ぶくれや黒っぽい変色、強い痛み・しびれがあるときは、皮膚科を受診してください。
この記事でわかること
- しもやけと、あかぎれ・水虫・凍傷との違い
- 足の指のしもやけが夜にかゆくなる理由
- 濡れた靴下・足汗・きつい靴など、足のしもやけの原因
- 今夜からできるケアと、やってはいけないこと
- 市販薬と、皮膚科に行きたい目安
足の指のしもやけとは?あかぎれとの違い
しもやけは、医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれます。急な温度差の刺激で体の末端の血流に異常が起こり、赤紫色に腫れて、ジンジンとした痛みやかゆみが出ます。悪化すると水ぶくれができ、破れて潰瘍(かいよう)になることもあります。手足の指に起こりやすく、耳たぶや鼻の頭、頬にも出ます(出典:岡山大学病院薬剤部)。
よく一緒に語られる「あかぎれ」は、寒さや乾燥で皮膚がひび割れたものです(出典:第一三共ヘルスケア「しもやけ・あかぎれの症状・原因」)。しもやけは「血のめぐりの乱れによる腫れ」、あかぎれは「皮膚の亀裂」と、起こり方がちがいます。
しもやけには、指全体が熟れた柿のように赤く腫れる「樽柿型」と、赤いブツブツやむくみ、水ぶくれがいくつもできる「多形滲出性紅斑型」があり、前者は子どもに、後者は大人にみられるとされています(出典:田辺ファーマ ヒフノコトサイト「しもやけ(凍瘡)の原因・症状・治療法」)。足の親指や小指に1cmほどの赤い斑点がいくつもできるのは後者のタイプです(出典:池田模範堂「しもやけ(凍瘡) 原因・症状・治療法」)。
しもやけの足が夜に温まるとかゆくなる理由
体は、寒いところでは手足の血管を縮めて熱を逃がさないようにし、暖かいところでは広げて熱を逃がします。寒い場所から急に暖かくなると、動脈はすぐ元の太さに戻る一方、静脈はゆっくり戻るため、血液の流れが滞って(うっ血)炎症が起こります。これを繰り返すことで、しもやけになると説明されています(出典:岡山大学病院薬剤部)。
そして、入浴後や就寝時に体が温まると、かゆみが強くなるのがしもやけの特徴です(出典:池田模範堂)。夜、布団の中でかゆくなりやすいのはこのためです。かきむしると皮膚が傷つき、水ぶくれが破れる原因にもなります。
足の指がしもやけになる原因|濡れた靴下・蒸れ・きつい靴
足の指は体の末端で冷えやすく、靴の中で蒸れやすい場所です。次の条件が重なると、しもやけが起こりやすくなります。
濡れた靴下・足汗の蒸れ
汗をかいたあとや水仕事のあとに皮膚を濡れたままにしていると、水分が蒸発するときに熱を奪い、皮膚の温度が急に下がります(出典:第一三共ヘルスケア)。靴の中の蒸れを放置すると足が冷える原因になり、雨や雪で靴下が濡れたら早めに替えるよう勧められています(出典:池田模範堂、岡山大学病院薬剤部)。暖房の効いた電車で足が汗ばみ、外で冷える流れにも注意しましょう。
きつい靴・ヒールの高い靴の圧迫
きつい靴やヒールの高いパンプスは、足の指の血行不良を招くため避けるよう書かれています(出典:池田模範堂)。冬は厚手の靴下のぶん靴が窮屈になりがちです。ブーツも蒸れやすいので、長時間はくときは途中で脱いで乾かしましょう。
昼夜の寒暖差が大きい初冬・春先
しもやけは真冬だけのものではありません。1日の気温差が10℃以上になると起こりやすく、晩秋から冬の初め、冬の終わりから春先に多くみられます(出典:第一三共ヘルスケア)。同じ環境でもなる人とならない人がいて、遺伝的な要因も関係すると考えられています(出典:田辺ファーマ ヒフノコトサイト)。皮膚の血管の収縮・拡張の働きが低下している体質の人はなりやすく、大人にも起こります(出典:池田模範堂)。
今夜からできる足のしもやけの治し方・ケア
軽いしもやけは、温度差を減らし、血のめぐりを助けるケアで様子を見ます。
- 帰宅したら靴下を替える:汗や雪で湿った靴下は脱ぎ、足の指の間まで水気を拭き取ってから乾いた靴下にはき替えます。
- 急に熱くしない:冷え切った足を、いきなり熱いお湯につけたりストーブに近づけたりするのは避けます。寒い所から急に暖かくなると血流が滞り、炎症が起こると説明されているためです(出典:岡山大学病院薬剤部)。
- 湯船につかる・指をマッサージする:入浴や手足の指のマッサージが血行改善に効果的とされています(同上)。指の付け根から先へ、やさしくもみほぐしましょう。
水と40℃くらいのお湯に交互につける「冷温交代浴」も、血行を促す方法として紹介されています(出典:池田模範堂)。水ぶくれや傷がある、痛みが強いときは行わないでください。
水ぶくれ・ただれ・潰瘍がある部分は、もんだりこすったりしないでください。また、電気あんかやカイロを足元の同じ場所に長く当てると、低温やけどのおそれがあります。電気あんかは寝るときにスイッチを切るか体から離し、カイロは就寝時に使わないこと。高齢の人や糖尿病の人は特に注意が必要とされています(出典:NITE「就寝時の“足元”暖房にご用心!」)。
しもやけを防ぐ靴下と靴の選び方

予防の基本は、手袋・靴下などで寒冷刺激から身を守ることです(出典:岡山大学病院薬剤部)。足は「冷やさない」と「濡らしたままにしない」の両立がポイントです。
| 見直すもの | 選び方・使い方のポイント |
|---|---|
| 靴下の素材 | 汗を吸う綿などを。汗をかいたら替えられるよう、予備を1足持ち歩く |
| 靴下の形 | 足の指の間の汗が気になる人は、指が分かれた五本指タイプも選択肢 |
| 靴下の締めつけ | 厚手を重ねばきして靴がきつくなるなら、1枚を薄くする |
| 靴 | 指先が窮屈なもの・ヒールの高いものを避け、中敷きや靴の中を乾かす |
足のしもやけに使える市販品2つ
症状が軽ければ、市販薬でセルフケアができます。しもやけ用の市販薬には、血行を促すビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)や、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)を含むものが多いとされています(出典:岡山大学病院薬剤部)。ここでは塗り薬と、蒸れ対策の靴下を1つずつ紹介します。
しもやけのかゆみに:ヒビケア軟膏b(第3類医薬品)
効能・効果は「ひび、あかぎれ、しもやけ」です。有効成分として、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)、かゆみをおさえるジフェンヒドラミン、アラントイン、パンテノール、グリセリンを含みます。1日数回、適量を患部に塗ります。使用開始の目安年齢は生後1か月以上です(出典:池田模範堂「ヒビケア軟膏b」商品情報)。
添付文書では、薬でアレルギー症状を起こしたことがある人や、湿潤・ただれのひどい人は使用前に医師・薬剤師・登録販売者に相談し、使用後に発疹・発赤、かゆみ、はれが出たらすぐに中止して相談するよう書かれています(出典:PMDA「ヒビケア軟膏b」添付文書情報)。
指の間の蒸れ対策に:タビオ 定番 五本指綿混無地ハイソックス(雑貨)
靴下屋(タビオ)の定番の五本指ソックスです。綿80%・ナイロン15%・ポリウレタン5%(表糸は綿100%)で、指を1本ずつ包むので指の間の汗も吸うと説明されています。ふくらはぎまでのハイソックス丈、サイズは22.5〜24.5cm、日本製です(出典:Tabio公式「【定番】五本指綿混無地ハイソックス」)。靴下は雑貨で、しもやけを治すものではありません。蒸れや冷えを防ぐ道具として使いましょう。
医薬品は使用上の注意を確認してから使ってください。しもやけか判断できない、水ぶくれ・ただれがある、糖尿病などの持病がある場合は、使う前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。
水虫・レイノー現象・凍傷との見分け方と受診の目安
足の指の赤み・かゆみは、しもやけ以外の原因でも起こります。次の表は目安で、見た目だけで判断はできません。
| 考えられるもの | 主な特徴 |
|---|---|
| しもやけ(凍瘡) | 赤紫色の腫れ、ジンジンする痛み・かゆみ。温まるとかゆみが強くなる。初冬・春先に起こりやすい |
| 水虫(趾間型の足白癬) | 指の間の皮膚が白くふやけてむけ、赤みやただれが出る。涼しくなると治まってくることが多い |
| レイノー現象 | 寒さなどで指が急に白っぽく・青くなり、しびれやチクチク感を伴う。温めると色と感覚が戻る |
| 凍傷 | 皮膚の感覚がなくなり白くなる、水ぶくれ、黒く革のような状態になることもある |
レイノー現象は、膠原病などの病気が背景にある場合もあります。凍傷は組織が凍る障害で、しもやけ(凍らない寒冷障害)とは別のものです(出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「足白癬」、MSDマニュアル家庭版「レイノー症候群」、MSDマニュアル家庭版「凍傷」、MSDマニュアル家庭版「非凍結性の組織障害」)。
皮膚科を受診したい目安
- 強い寒さにさらされたあと、指が白や黒っぽく変色している、感覚がない(凍傷の可能性。こすったりもんだりせず、すぐに受診)
- 水ぶくれ・ただれ・潰瘍ができた、膿が出る
- 我慢できないほどの強いかゆみ・痛み・腫れがある、しびれが続く
- 範囲が広い(手のひら2枚分を超える)
- ステロイドの塗り薬を5〜6日使っても良くならない、または悪化する
- 何度も繰り返す、寒い時期以外にも同じ症状が出る
- 発熱や関節の痛みなど、全身の症状がある
- 糖尿病がある、足の血流が悪いと言われている
しもやけに似た症状が出る別の病気もあるとされています。この目安は次の資料をもとにしています(出典:田辺ファーマ ヒフノコトサイト、岡山大学病院薬剤部、MSDマニュアル家庭版「凍傷」)。糖尿病などで足の感覚や血流に不安がある人は、自己判断せず主治医に相談してください。
足先だけでなく、突然手足がしびれる、片方の腕や足に力が入らなくなる、ろれつが回りにくいといった症状があるときは、迷わず119番に連絡してください(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」)。
足のしもやけのよくある質問
Q. しもやけがかゆいとき、冷やしてもいいですか?
しもやけは寒冷刺激と温度差で起こるため、氷などで冷やしすぎるのは避けましょう。かゆみが強いときは、しもやけに効能のある市販薬か、皮膚科に相談を。爪を短く切っておくと、かいたときに皮膚を傷つけにくくなります。
Q. 靴下をはいて寝てもいいですか?
乾いた、締めつけの少ない靴下なら、足を冷やさないのに役立ちます。入浴後は足の指の間までよく拭き、湿った靴下は替えてから寝ましょう。
Q. しもやけが良くなるまで、どのくらいかかりますか?
良くなるまでの期間は、症状の程度や寒さにさらされ続けるかどうかで変わります。冷気にさらされないようにすることが最善の治療とされ、再発を繰り返すこともあります(出典:MSDマニュアル家庭版「非凍結性の組織障害」)。暖かくなっても長引く場合は受診してください。
まとめ:足のしもやけは「濡らさない・締めつけない・急に温めない」
- しもやけは、寒さと温度差で指先の血のめぐりが乱れて起こる赤紫の腫れ。入浴や布団で温まるとかゆみが強くなる
- 濡れた靴下・蒸れ・きつい靴・初冬や春先の寒暖差がきっかけになる
- ケアは「靴下を替えて乾かす」「急に熱くしない」「指をやさしくマッサージ」。あんか・カイロの当てっぱなしに注意
- 白や黒っぽい変色、水ぶくれ・潰瘍、強い痛みやしびれ、冬以外にも出る、糖尿病がある場合は受診を
まずは今日、帰宅したら靴下をはき替え、足の指の間までしっかり拭くことから始めてみてください。
参考にした情報
- 岡山大学病院薬剤部「薬の窓口 No.371 しもやけ(霜焼け)」(令和7年1月)
- MSDマニュアル家庭版「非凍結性の組織障害」
- MSDマニュアル家庭版「凍傷」
- MSDマニュアル家庭版「レイノー症候群」
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「足白癬にはどのような症状があるのですか?」
- 第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「しもやけ・あかぎれの症状・原因」
- 池田模範堂 肌トラブル情報館「しもやけ(凍瘡) 原因・症状・治療法」
- 田辺ファーマ ヒフノコトサイト「しもやけ(凍瘡)の原因・症状・治療法」
- PMDA「ヒビケア軟膏b」添付文書情報
- 池田模範堂「ヒビケア軟膏b」商品情報
- Tabio公式「【定番】五本指綿混無地ハイソックス」
- NITE(製品評価技術基盤機構)「就寝時の“足元”暖房にご用心!」(2025年1月)
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。商品の価格や仕様は記事執筆時点(2026年10月)の情報です。
