石油ファンヒーターや石油ストーブが臭うときは、まず次を確かめてください。
当てはまるものはありますか?
- つけ始めや消したときだけ少し臭い、すぐ気にならなくなる
- 買って初めて使うときに、何かが焼けるようなニオイがする
- 燃えている間もずっと灯油臭い、ニオイが強い
- 去年の灯油や、いつ買ったかわからない灯油を入れた
- 使っている部屋で、目や喉が痛い
- 使っている部屋で、頭痛・めまい・吐き気がある、家族の様子がおかしい
1つめ・2つめだけなら、メーカーが「異常ではない」と説明しているニオイのことがあります。換気しながら様子を見てください。3つめ・4つめは灯油や燃焼の状態が悪いおそれがあるので、使うのをやめてください。古い灯油を入れてしまったときは、灯油を替えるだけで使い続けず、取扱説明書やメーカーの案内に沿って処置します。わからなければメーカー・販売店へ。5つめは使用をやめ、新鮮な空気の所へ移って換気し、続けば受診。6つめは一酸化炭素中毒を疑い、すぐ119番です。通報と同時に、安全を確かめて新鮮な空気の所へ移ります。
一酸化炭素は無色・無臭なので、「臭わないから安全」とは言えません。
この記事でわかること
- つけ始め・消すとき・燃焼中のニオイの見分け方
- 去年の灯油を使ってはいけない理由
- 換気の目安
- 頭痛・吐き気や一酸化炭素中毒が疑われるときの対応
- 消臭スプレーの注意と、点検を頼む目安
ニオイが出るタイミングで見分ける
同じ「灯油臭い」でも、いつ臭うかでやることが変わります。
| いつ・どんなニオイか | 考えられること | どうするか |
|---|---|---|
| 点火したとき・消したときに少し | 異常ではないとするメーカーがある | 換気しながら使う。強い・長引くなら下の行へ |
| 初めて使うときの焼けるようなニオイ | 防錆油や耐熱塗料、ほこりが焼ける | 換気する。ダイニチは1時間ほどでおさまると説明 |
| 燃焼中もずっと強いニオイ | 持ち越し灯油など、燃焼状態が悪い | 使用をやめる。持ち越し灯油なら、メーカーの案内に沿って抜いて処置。続けば点検 |
| ほこりっぽい焦げたニオイ | 背面のフィルター・カバーのほこり | 消火して冷めてから掃除。改善しなければ点検 |
| 目や喉が痛い | 換気不足や燃焼の異常のおそれ | 使用をやめ、新鮮な空気の所へ移って換気。続けば受診 |
| 頭痛・めまい・吐き気、様子がおかしい | 一酸化炭素中毒のおそれ | すぐ119番。同時に安全を確かめ、新鮮な空気の所へ移る |
表の「異常ではない」はメーカーの説明で、機種によって違います。基準はお使いの機種の取扱説明書です。迷うときは使うのをやめ、メーカーに問い合わせてください。
エアコンの暖房が臭い場合は、原因も対処も違います。参考:エアコン暖房をつけると臭いのはなぜ?ニオイ別の原因と対策
つけ始め・消すときのニオイは、メーカーの説明を確かめる
点火時・消火時の少しのニオイ
コロナは、点火時や消火時の多少の白煙や臭いは異常ではないと説明しています(出典:コロナ「点火時や消火時に白煙や臭いが出る。」)。部屋にニオイがこもる、消したあとも長く続くときは、灯油や点検の章を確認してください。消すときのニオイが気になっても、電源プラグを抜いて止めるのはやめましょう(下のよくある質問)。
初めて使うときの焼けるようなニオイ
ダイニチは、初めて使うときのニオイは防錆油や耐熱塗料が焼けるためで、1時間ほどでおさまるので換気しながら使うよう説明しています(出典:ダイニチ工業「初めて使うのに何かが焼けるようににおう」)。コロナも耐熱塗料やほこりが焼けるためとして、しばらく窓を開けて換気するよう案内しています(出典:コロナ「初めて使用するとき、煙や臭いが出る。」)。コロナは、自社の新品で灯油のニオイがするのは工場の燃焼検査によるものとしています(出典:コロナ「使用前に灯油の臭いがした」)。
ふだんからできること
- 給油は、消火して本体が十分に冷えてから:暖房機から十分に離れた火の気のない所で給油し、口金はしっかり閉めて、口金を下にして油漏れがないか確かめる(出典:ダイニチ工業「家庭用石油ファンヒーター 安全に長くお使いいただくために」)。タンクや口金に付いた灯油は拭き取って乾かす(出典:ダイニチ工業「燃焼中にニオイが強い」)
- 背面のフィルター・カバーのほこりを取る:シーズン初めなど、初めて使うとき以外のニオイについて、ダイニチは背面のファンフィルターやファンカバーのほこりを掃除するよう案内しています(出典:ダイニチ工業 故障診断「ニオイが気になる」)。掃除は消火して冷めてから、取扱説明書の手順で行います
去年の灯油は使わない|水やゴミが入った灯油も同じ
去年の灯油が残っていても、ダイニチは昨シーズンの残った灯油は使用しないでくださいと答えています。持ち越した灯油などの変質灯油や、灯油以外の油・水やごみが混ざった不純灯油は、異常燃焼や故障の原因になるためです(出典:ダイニチ工業「昨シーズンの残った灯油を使用したい」)。
ダイニチは別のFAQで、持ち越し灯油などで燃焼状態が悪いとニオイが強くなるとしています(出典:ダイニチ工業「燃焼中にニオイが強い」)。燃焼中に強く臭うなら、まず使用をやめます。油漏れ、すす、炎の色がおかしいなど異常と思われるときは使わないよう、ダイニチは注意しています(出典:ダイニチ工業「家庭用石油ファンヒーター 安全に長くお使いいただくために」)。
持ち越し灯油を入れてしまったときは、新しい灯油に替えるだけで使い続けないでください。ダイニチは自社の石油ファンヒーターの場合として、カートリッジタンクと油受皿の灯油を抜き、新しい灯油でタンク・油受皿・油フィルターを洗うなどの処置を案内しています。他メーカーの製品は各メーカーの手順に従うこと、処置をしても直らなければ修理が必要なので販売店に相談することも書かれています(出典:ダイニチ工業「NGな灯油を使ってませんか?」)。手順は機種で違うので、お使いの機種の取扱説明書を確かめ、わからなければメーカー・販売店に相談しましょう。
NITEは、変質灯油で芯式の石油ストーブの芯にガム状の物質が付き、火が消えなくなった事故を紹介し、灯油はシーズン中に使い切って持ち越さないよう呼びかけています(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)「変質灯油による石油ストーブの事故」)。
灯油の扱いで気をつけたいこと
- 灯油はシーズン中に使い切る量を買う
- 保管は、紫外線を通しにくい色付きの灯油用ポリタンク(推奨マーク付き)で。乳白色の水用ポリタンクは使わない(ダイニチ)
- 火気・雨水・ごみ・高温・日光を避けた暗い所に置き、ふたをしっかり締める(ダイニチ・NITE)
- しまうときはカートリッジタンクと油受皿の灯油を抜く(ダイニチ)
- 余った灯油の処分は、買った販売店に相談する(出典:コロナ「シーズン終了後に灯油が余った場合の廃棄処分はどうすればよいですか」)
換気は取扱説明書の目安で|メーカーの例は1時間に1〜2回

換気の回数と時間は、お使いの機種の取扱説明書の目安に従ってください。例としてコロナは、換気せずに使い続けると不完全燃焼で一酸化炭素などが出て中毒のおそれがあるとして、使用中は1時間に1〜2回(1〜2分)換気するよう案内しています。窓や戸を2か所以上開けるか、換気扇を使うと効率よく換気できるそうです(出典:コロナ「部屋の換気はどのくらいで行ったらよいですか。」)。
ダイニチも1時間に1〜2回(1〜2分)としています(出典:ダイニチ工業「正しい換気の仕方を教えてほしい」)。どちらも一例で、機種で目安が違うことがあります。
NITEは、空気の取り入れ口にほこりがたまった石油ストーブを閉め切った部屋でつけたまま寝て、一酸化炭素中毒で亡くなった事故を紹介し、こまめな換気と寝る前の消火を呼びかけています(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)「一酸化炭素中毒の事故」)。
頭痛・吐き気・目や喉の痛みがあるとき|一酸化炭素中毒が疑われたら
一酸化炭素は無色・無臭の気体です。軽い中毒では頭痛、吐き気、めまい、集中力の低下、嘔吐、眠気などが、重くなると錯乱、意識を失う、けいれん、息切れなどが起こります(出典:MSDマニュアル家庭版「一酸化炭素中毒」)。
同じ資料は、眠気を中毒と気づかず眠ってしまう危険にも触れています。灯油のニオイがしないから大丈夫、とは判断しないでください。
受診の目安|一酸化炭素中毒が疑われるとき
- 疑うサイン:暖房を使う部屋で、気分が悪い、あくびが出る、頭痛・めまい・吐き気、手足がしびれて動けない
- すぐ119番:日本赤十字社は、ガス中毒では直ちに119番し、意識がはっきりして症状が治まっても、できるだけ早く医師の診療を受けさせるとしています
- 119番と同時に:自分の安全を確かめ、新鮮な空気の所へ移る(運び出す)。衣類をゆるめ、意識があっても歩かせず静かに運び、保温する。暖房機を止めて窓を開けるのは、無理なくできる範囲で
- 反応がないとき:普段どおりの呼吸がない、または判断に迷うときは、指令員の指示に従い胸骨圧迫を(総務省消防庁)
- 目や喉が痛いとき:軽く考えず、使用をやめて新鮮な空気の所へ移り、窓を開けて換気する。上の「疑うサイン」が1つでもあれば119番。痛みが続くときは受診
サインと手当は日本赤十字社「中毒」のガス中毒の項に、胸骨圧迫は総務省消防庁「応急手当WEB講習」に合わせています。意識の障害・けいれん・急な息切れなども119番です(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」)。体調が戻っても、原因がわかるまでその暖房機は使わず、点検を相談してください。
消臭スプレーを運転中の暖房機にかけない
運転中の石油ファンヒーター・ストーブや吹き出し口に、消臭スプレーや芳香スプレーをかけないでください。理由は2つあります。
1つめは引火です。NITEは、可燃性ガスを含むスプレー缶について、スプレーすると中の可燃性ガスも一緒に噴射されるため、暖房器具など火気のある場所でスプレーしないよう注意しています。運転中の石油ファンヒーターの近くのスプレー缶が温風で熱せられて破裂し、炎が引火した事故も紹介しています(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)「冬に気を付けたい事故」)。
2つめは成分です。コロナは、シリコーン配合の製品(ヘアケア製品、防水スプレーなどの衣類用スプレー、家具の艶出し剤など)をファンヒーターと同時に使わないよう案内しています。燃焼部に付いて点火ミスや途中消火の原因になるためで、シリコーン配合製品を使ったときは、十分に換気してからファンヒーターを使うよう説明しています(出典:コロナ「シリコ-ンが原因で故障しました。今後どのような点に注意すればいいですか」)。
香りでごまかすと、燃焼の異常に気づきにくくなります。
メーカー・販売店に点検を頼む目安
次のときは分解せず、使用をやめてメーカーか販売店に相談しましょう。
- 灯油を替え、取扱説明書やメーカーの案内に沿って処置しても、燃焼中のニオイが強いまま(ダイニチは点検・修理が必要と案内)
- フィルターやカバーのほこりを掃除しても、ニオイが変わらない
- 炎がいつもと違う、すすが出る、灯油がもれている
相談では、本体の型式、いつ臭うか、灯油をいつ買ったかを伝えると話が早く進みます。消火操作をしても火が消えない、火が出たときは、周りに知らせて離れ、119番です。NITEは、迷ったらひとまず避難し、初期消火は安全と避難経路を確保してからにするよう呼びかけています(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)「ストーブとの程よい距離感が大切です」)。
石油ファンヒーターのニオイのよくある質問
Q. 去年の灯油を、新しい灯油に少し混ぜて使ってもいいですか?
やめましょう。混ぜてよいとする説明はメーカーにもNITEにも見当たりません。処分は買った販売店に相談してください。すでに入れてしまったときは、取扱説明書やメーカーの案内に沿って処置します。
Q. 消すときのニオイが気になります。電源プラグを抜いて止めてもいいですか?
緊急時以外はやめましょう。消火後は内部を冷やすためにファンが回ります。コロナは、すぐにプラグを抜くと本体上部などが熱くなりやけどのおそれがあるとして、ファンが止まるまで抜かないよう注意しています(出典:コロナ「運転キーで消火をした後、すぐに電源プラグを抜いてもいいですか」)。ニオイが気になるときは、使用中の定期的な換気に加えて、消火の前後にも換気してください。
Q. ニオイがしなければ、換気しなくても大丈夫ですか?
いいえ。一酸化炭素は無色・無臭です。ニオイの有無にかかわらず、取扱説明書の目安で換気してください。
Q. 芯のある石油ストーブも同じですか?
換気と、持ち越し灯油を使わないことは同じです。フィルター掃除や消火後のファンはファンヒーターの話なので、芯の手入れなどは取扱説明書に従ってください。
まとめ:石油ファンヒーターが臭いときは「タイミング・灯油・換気」を確かめる
- 点火時・消火時の少しのニオイ、初めて使うときの焼けるニオイは、異常ではないとするメーカーがある
- 燃焼中も強く臭うなら使用をやめる。去年の灯油は使わない。入れてしまったら、替えるだけで使い続けず、メーカーの案内に沿って処置する
- 換気は取扱説明書の目安で
- 頭痛・めまい・吐き気など一酸化炭素中毒が疑われたら、すぐ119番。同時に安全を確かめて新鮮な空気の所へ。治まっても受診
- 運転中の暖房機に消臭スプレーをかけない
参考にした情報
- コロナ「点火時や消火時に白煙や臭いが出る。」
- コロナ「初めて使用するとき、煙や臭いが出る。」
- コロナ「使用前に灯油の臭いがした」
- コロナ「部屋の換気はどのくらいで行ったらよいですか。」
- コロナ「運転キーで消火をした後、すぐに電源プラグを抜いてもいいですか」
- コロナ「シーズン終了後に灯油が余った場合の廃棄処分はどうすればよいですか」
- コロナ「シリコ-ンが原因で故障しました。今後どのような点に注意すればいいですか」
- ダイニチ工業「初めて使うのに何かが焼けるようににおう」
- ダイニチ工業「燃焼中にニオイが強い」
- ダイニチ工業 故障診断「ニオイが気になる」
- ダイニチ工業「昨シーズンの残った灯油を使用したい」
- ダイニチ工業「NGな灯油を使ってませんか?」
- ダイニチ工業「正しい換気の仕方を教えてほしい」
- NITE(製品評価技術基盤機構)「変質灯油による石油ストーブの事故」
- NITE(製品評価技術基盤機構)「冬に気を付けたい事故」
- NITE(製品評価技術基盤機構)「ストーブとの程よい距離感が大切です」
- ダイニチ工業「家庭用石油ファンヒーター 安全に長くお使いいただくために」
- NITE(製品評価技術基盤機構)「一酸化炭素中毒の事故」
- MSDマニュアル家庭版「一酸化炭素中毒」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 日本赤十字社「中毒」
- 総務省消防庁「応急手当WEB講習」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。製品の仕様やメーカーの案内は記事執筆時点(2026年11月)の情報です。お使いの暖房機の取扱説明書に従ってください。
