当てはまるものはありますか?
- 飲み会の翌朝、寝汗や体から酒のニオイがする
- 歯をみがいても、息がまだ酒臭いと言われた
- パジャマや枕、前の晩の服から酒やお店のニオイがする
- 夜遅くまで飲んだが、朝から車を運転する予定がある
- 汗をかけば早く抜けると思い、サウナや運動を考えている
飲んだ翌朝に汗や体が酒臭いのは、体の中にまだアルコールが残っていて、そのごく一部が息や汗から出ているためと考えられます。アルコールのほとんどは肝臓で分解されるので、汗をかいても水をたくさん飲んでも、速く抜けるわけではありません。
朝のうちにできるのは、ニオイの出どころ(息・汗・服)ごとに上乗せされたニオイを減らすことと、脱水を防ぐことです。ニオイが消えても、アルコールが抜けた証拠にはなりません。夜遅くまで飲んだ翌朝は、アルコールが残っている可能性があるため、車の運転は控えてください。
この記事では飲酒の翌朝に限って、ニオイが残る理由、朝にできること、運転についての注意、119番の目安をまとめます。
この記事でわかること
- 飲んだ翌朝に汗や息が酒臭くなる理由
- 呼気・汗・服のニオイの見分け方と、それぞれにできること
- アルコールが抜けるまでの時間が「一概に言えない」理由
- サウナ・運動・水・コーヒーで早く抜けるのか
- ニオイが消えても運転の判断にならない理由と、119番の目安
飲んだ翌朝に汗や体が酒臭いのはなぜ?
体に残ったアルコールが、息と汗から少しずつ出ている
飲んだアルコールは体の水分に溶けて全身に広がり、ほとんどが肝臓で分解されます。分解されずにそのまま出ていく量はわずかで、厚生労働省のe-ヘルスネットによると、呼気からは0.7%、汗からは0.1%、尿からは0.3〜4%ほどです(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」)。
寝ているあいだは、分解がゆっくりになる
「ひと晩寝れば抜ける」と思いがちですが、国土交通省航空局監修の資料では、アルコールの分解は睡眠中に遅くなるとされています(出典:国土交通省「飲酒に関する基礎教育資料」)。夜遅くまで飲んだ場合、起きた時点でまだ残っていることがあります。
抜けるまでの時間は、人によっても日によっても違う
e-ヘルスネットでは、分解が遅いタイプの酵素を持つ人は、多量に飲んだ翌日もアルコールが長時間残って酒臭いことが多いと説明されています。分解の速さは飲酒習慣でも大きく変わり、一般に言われる目安より分解できる量が少ないケースも多いとされます(出典:e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」)。
国土交通省の資料でも、分解の速さは性別・年齢・体重・体質・疲労・体調で変わり、個人差が大きいとされています。山口県の研修資料は、分解にかかる時間の目安が示されていても「一概には言えない」とし、酔っているあいだは飲んだ量を正確に覚えていないことも多いと注意しています(出典:山口県「アルコールの及ぼす影響を正しく理解する」研修資料)。「何時間たったから抜けた」とは決められません。警察庁も、夜遅くまで飲んだ場合は、翌朝にも体内にアルコールが残っている可能性があるとしています(出典:警察庁「飲酒運転根絶」)。
ニオイの出どころは3つ:息・汗・服や寝具
翌朝の酒臭さは、出どころでできることが変わります。体の中からのニオイは時間を置くしかありませんが、服や寝具に移ったニオイは洗えば減らせます。
| 出どころ | ニオイのもと | 朝にできること | できないこと |
|---|---|---|---|
| 息(呼気) | 血液中のアルコールが肺から出る。口の中の汚れのニオイも重なる | 歯みがき・舌の清掃で口の中のニオイを減らす | 体に残ったアルコールは、歯みがきでは減らない |
| 汗・肌 | 汗からもわずかにアルコールが出る。寝汗のニオイも混ざる | シャワーで汗を流し、下着とパジャマを替える | 汗をかいても、アルコールは速く抜けない |
| 服・寝具・部屋 | お店の料理やたばこのニオイ、こぼれたお酒、寝汗を吸ったパジャマや枕 | 洗濯、枕カバーの交換、部屋の換気 | (洗えないものは陰干しと時間が必要) |
息のアルコールは、血液中のアルコールが肺から出てくるものです。ガムやマウスウォッシュで口の中がさっぱりしても、体の中のアルコールの量は変わりません。
参考:マスクの中が臭いのは自分の息?原因の見分け方と受診の目安
サウナ・運動・水・コーヒーで早く抜ける?
e-ヘルスネットは、汗をかいたり水をたくさん飲んだりすれば速く抜ける、というのは勘違いだと説明しています。
| 方法 | 分解は速くなる? | 資料での説明・注意 |
|---|---|---|
| サウナ・熱いお風呂 | 速くならない | 汗から出るアルコールはわずか。飲酒後のサウナや入浴は脱水を進め、転倒やおぼれる危険もある |
| ジョギングなどの運動 | 汗で抜ける量は、ほとんど変わらないとされる | 県の研修資料では、ジョギングや入浴、サウナで汗をかいても、ほとんど変化はないとされる |
| 水をたくさん飲む | 速くならない | 代謝のほとんどは肝臓。水分補給は脱水への対策として行う |
| コーヒー | 速くならない | カフェインで眠気が軽くなっても、判断力や体の動きへのアルコールの影響は減らないとされる。分解には時間が必要 |
| ひと眠りする | 速くならない(睡眠中は遅くなる) | 「一眠りしたから大丈夫」は禁物とされる |
参考:e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」、国土交通省「飲酒に関する基礎教育資料」、山口県の研修資料。コーヒーは海外の公的機関(米国国立アルコール乱用・依存症研究所)の資料:NIAAA「The Truth About Holiday Spirits」
飲酒後に入浴しておぼれる事例もあります(出典:e-ヘルスネット「飲酒と事故」)。アルコールが残っていそうな朝は、サウナや長湯で「汗を出し切る」のはやめましょう。
飲んだ翌朝、酒臭さが気になるときにできること

出かける前に、上乗せされたニオイを次の順で減らしましょう。
- 水分をとる:酔っているあいだは尿の量が増え、体が脱水ぎみになるとされています(出典:e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」)。コップの水をこまめに。一気に大量に飲む必要はありません
- 短いシャワーで汗を流す:ふらつき・強い眠気・吐き気がなければ、転ばないよう注意して短めに。具合が悪いときは入らず、着替えだけにする
- 下着・パジャマを替える:ニオイを吸った服を着直さない
- 歯みがきと舌の清掃:舌の清掃は朝起きてすぐが目安です(出典:e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」)。起床時の1回でよく、やりすぎると舌を傷つけるおそれがあります
- 前の晩の服を寝室に置かない:洗えるものは洗濯へ。コートなどは風通しのよい場所にかける
- 枕カバーを替えて換気する
香水や制汗剤を重ねても、体の中から出ているニオイがなくなるわけではありません。迎え酒は体内のアルコールを増やすだけなので、やめておきましょう。
参考:ニット・コートが臭う原因と対策|洗えない冬服のニオイの取り方
口の乾きやニオイが続く人は、口腔保湿ジェルと洗口液の違い|口の乾き・口臭別の選び方も参考にしてください。
「ニオイが消えた=運転してよい」ではない
警察庁は、飲酒運転をした理由として「出勤のため二日酔いで運転してしまった」「時間経過により大丈夫だと思った」などを挙げたうえで、夜遅くまで飲酒した場合、翌朝には体内にアルコールが残っている可能性があるので、車の運転は控えるよう呼びかけています。翌日に運転する予定があれば、それを考えて飲む時間と量を決めることも大切だとしています(出典:警察庁「飲酒運転根絶」)。
- ニオイは判断材料にならない:シャワーや歯みがきでニオイが弱まっても、体内のアルコールは減っていません
- 基準値より低くても運転はできない:警察庁は、呼気1Lあたり0.15mg未満でも、酒気を帯びて運転することは法律で禁止されているとしています
- 低い濃度でも運転に影響する:e-ヘルスネットでは、集中力や反応時間などは、検挙される濃度より低い濃度から影響を受けると説明されています(出典:e-ヘルスネット「アルコールの運転技能への影響」)
- 市販の検知器は目安:山口県の研修資料では、市販のアルコール検知器は警察の呼気検査の結果を保証するものではなく、目安として使うものとされています
残っているかもしれない朝は運転せず、公共交通機関や家族の送迎に切り替える、と前の晩から決めておきましょう。
119番・受診の目安
すぐに119番(急性アルコール中毒が疑われるとき)
- 揺すって呼びかけても反応しない
- 大いびきをかいて、痛みの刺激にも反応しない
- 呼吸の状態が不安定
- 体が冷たくなっている
- 倒れて口から泡を吐いている
119番に電話したら、まず普段どおりの呼吸があるかを確かめます。普段どおりの呼吸がない、または判断に迷うときは、通信指令員の指示に従ってためらわずに胸骨圧迫を始めます(出典:総務省消防庁「応急手当WEB講習」)。普段どおりの呼吸があるときは、救急車を待つあいだ、1人にしない、衣服をゆるめる、毛布などで暖かくする、吐いたものが詰まらないよう横向きに寝かせる、吐きそうなときは抱き起こさず横向きのまま吐かせる、の5つを守ります。無理に吐かせようとすると、吐いたものがのどに詰まるおそれがあります(出典:e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」)。
翌朝に意識がない・もうろうとしている、ろれつがまわりにくい、顔半分が動きにくい・しびれる、突然片方の腕や足に力が入らない、支えなしで立てないぐらい急にふらつく、突然の激しい頭痛、急な息切れ・呼吸困難、胸の中央が締め付けられるような痛みが2〜3分続く、血を吐く、突然の激しい腹痛などがあるときも、二日酔いと決めつけず、迷わず119番に電話してください(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」、総務省消防庁「救急車利用マニュアル」)。救急車を呼ぶか迷うときは #7119(実施地域のみ)に相談できます。
「朝に酒臭い」と言われることが続くとき
e-ヘルスネットでは、遅刻や欠勤、仕事の効率の低下と並んで、「朝に酒のにおいを指摘された」ことを飲酒による問題の代表的なものとして挙げています(出典:e-ヘルスネット「アルコールと依存」)。指摘が続く、飲む量を減らせないときは、ニオイ対策より先に飲み方を相談してみてください。
相談・受診を考えたい目安
- 翌朝まで酒臭いと、家族や職場の人から何度も言われる
- 飲む量を決めても守れない、減らせない
- お酒を飲んでいない日も、息や体のニオイが気になる
飲み方の相談は、医療機関のほか、お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターでも受け付けています(出典:厚生労働省「依存症対策」)。また、飲んでいない日も息のニオイが続く場合、まれに糖尿病や肝臓の病気など全身の病気が関わることもあるとされているため、医療機関で相談しましょう(参考:e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」)。
忘年会の前にできる、翌朝への影響を減らす工夫
翌朝にアルコールが残るかどうかは、一概には判断できません。飲む場合は、前の晩から飲む量を抑える工夫が大切です。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、飲酒による危険を避けるための配慮として、次のような工夫が挙げられています(出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)。
- あらかじめ量を決めて飲む:行事やイベントでも、何をどれくらい飲むか自分で決める
- 飲む前や飲みながら食事をとる:血中のアルコール濃度が上がりにくくなる
- 合間に水(または炭酸水)を飲む:アルコールの入っていない飲み物を選ぶのも一つ
- 一度にたくさん飲まない:1回の飲酒で純アルコール60g以上の「一時多量飲酒」は避けるべきとされている
純アルコール量は「お酒の量(mL)×度数(%)÷100×0.8」で計算でき、5%のビール500mLで20gです(出典:e-ヘルスネット「飲酒量の単位」)。翌日に運転する予定があるなら、それを考えて飲む時間と量を決めておきましょう。朝に不安が残りそうなら、運転する前の晩は飲まないと決めておくと迷わずにすみます。
ふだんの体臭そのものが気になる人は、体臭を抑える食事法もあわせて読んでみてください。
飲んだ翌朝の酒臭さのよくある質問
Q. 何時間たてば酒臭さは消えますか?
飲んだ量・体重・体質・体調・睡眠で変わるため、一概には言えません。睡眠中は分解が遅くなり、多く飲んだ翌日は長く残ることがあります。ニオイが消えた時刻を、アルコールが抜けた目安にはしないでください。
Q. シャワーと歯みがきで消えますか?
肌の汗や口の中のニオイは減らせますが、体の中のアルコールから出るニオイは残ります。分解が進むのを待つしかありません。
Q. ニオイがしなくなったら、運転してもいいですか?
ニオイは判断の材料になりません。夜遅くまで飲んだ翌朝は、アルコールが残っている可能性があるため運転を控えるよう警察庁が呼びかけています。市販の検知器も目安にとどまります。
まとめ:酒臭さが消えても、アルコールが抜けたとは限らない
- 翌朝の汗や息の酒臭さは、体に残ったアルコールの一部が出ているもの
- 分解のほとんどは肝臓。サウナ・運動・大量の水で速くはならず、睡眠中はむしろ遅くなる
- 朝にできるのは、水分補給、短いシャワー、着替え、歯みがきと舌の清掃、服と寝具の洗濯・換気
- ニオイが消えても運転の判断にはならない。夜遅くまで飲んだ翌朝は運転を控える
- 呼びかけに反応しない・呼吸がおかしいなどは119番。「朝に酒臭い」と言われ続けるなら飲み方を相談
忘年会シーズンは、翌朝の予定を考えて「今夜はここまで」と決めてから出かけましょう。飲む量をあらかじめ決めておくことは、飲みすぎを避けることにつながるとされています。
参考にした情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒量の単位」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒と事故」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの運転技能への影響」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールと依存」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
- 厚生労働省「依存症対策」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 総務省消防庁「救急車利用マニュアル」
- 総務省消防庁「応急手当WEB講習」
- 警察庁「飲酒運転根絶」
- 国土交通省「飲酒に関する基礎教育資料」(航空局監修、平成31年)
- 山口県「アルコールの及ぼす影響を正しく理解する」研修資料(平成23年)
- 米国国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)「The Truth About Holiday Spirits」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。記事の内容は執筆時点(2026年11月)の情報です。ニオイの有無や飲んでからの時間は、運転してよいかの判断には使えません。
