体臭・ニオイの悩み

へそのごまが臭い?大人の取り方と掃除の注意点・受診の目安

へそのごまが臭い?大人の取り方と掃除の注意点・受診の目安

お風呂に入る前、なにげなくおへそを触った指をかいでみたら、思ったより臭くて驚いた。そんなきっかけで「へそのごま」が気になり始めることがあります。

先に結論をお伝えすると、おへその奥には垢や皮脂がたまりやすく、それがニオイの一因と考えられます。掃除は入浴時に石けんの泡でやさしく、取れる分だけが基本です。爪やピンセット、綿棒で奥まで掘るのはやめましょう。赤み・腫れ・痛み・膿・臭い汁があるときは、掃除をせずに皮膚科か外科へ相談してください。

この記事は大人のおへそについての内容です。生まれたばかりの赤ちゃんのおへその手入れ(へその緒が取れる前後のケア)は扱っていません。赤ちゃんのおへそが気になるときは、小児科や出産した医療機関に相談してください。

この記事でわかること

  • へそのごまの正体と、おへそが臭う理由
  • 掃除してよいおへそ・受診したほうがよいおへその見分け方
  • 大人のへそのごまの取り方(入浴時の手順)
  • 爪・ピンセット・綿棒で奥まで掘ってはいけない理由と、消毒液の考え方
  • 臍炎(さいえん)や尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)など、受診の目安

へそのごまとは?おへそが臭う理由

へそのごまの正体は「垢」

平戸市民病院の小児外科医のコラムでは、へそのごまは、へその緒を切った跡にたまった垢で、成分は耳垢に近いと説明されています(出典:平戸市民病院「へそのゴマをとるとお腹が痛くなるのは本当?」)。おへそはくぼんでいるので、古い角質や皮脂などが外に出にくく、少しずつたまっていくと考えられます。

皮脂が多く、蒸れやすい場所

おへそのまわりは、皮脂の多い「脂漏部位」の一つに数えられています。皮膚科のガイドラインでも、脂漏性皮膚炎が出る場所として、頭皮や耳の後ろ、わきなどとともに「臍部(さいぶ)」が挙げられています(出典:日本皮膚科学会・日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」)。

また、汗そのものは分解されていなければ強いニオイはなく、皮膚にすむ細菌や真菌に分解されるとニオイが強くなるとされています(出典:MSDマニュアル家庭版「体臭」)。垢と皮脂がたまり、蒸れやすいおへそは、ニオイがこもりやすい場所だといえます。冬は腹巻きや厚手のインナーで、お腹まわりが蒸れやすくなる点にも注意しましょう。

参考:腹巻きでかゆくなるときの原因と対策

掃除する前に確認|セルフケアでよいおへそ・受診したいおへそ

ニオイが気になっても、すぐに掃除を始める前に、おへその状態を見てください。炎症が起きているおへそを触ると、悪化させるおそれがあるからです。

おへその状態考えられることどうする?
見た目は変わらず、触った指が少し臭う垢・皮脂(へそのごま)がたまっている入浴時にやさしく洗う(次の章)
黒っぽいかたまりが奥にあり、大きくて取れないへそのごまが固まっている無理に取らず、皮膚科・外科で相談
赤い・腫れている・触ると痛いおへその炎症(臍炎など)掃除をやめて皮膚科・外科へ
膿や血、臭い汁が出る・下着に汁がつくおへその感染、尿膜管遺残など掃除をやめて早めに受診
同じような炎症を何度も繰り返す尿膜管遺残などが隠れていることがある受診して原因を調べてもらう
発熱や下腹部の痛みもある炎症が強くなっている可能性早めに受診。突然の激しい腹痛・激しい腹痛が続くときは119番

表の一番上の行以外に当てはまる場合は、自分で掃除をせず、表の案内に沿って受診してください。受診の目安は、記事の後半でくわしく説明します。

大人のへそのごまの取り方と注意点

平戸市民病院のコラムでは、入浴時に石けんを含ませたタオルを指に巻き、おへそをくるりと回す方法が紹介されています。これを2〜3回くり返し、週に2〜3回行うとされています(出典:平戸市民病院「へそのゴマをとるとお腹が痛くなるのは本当?」)。

  1. 入浴中に行う:湯船につかったあとや、シャワーで体を洗う流れで行います。
  2. やわらかいタオルに石けんを含ませる:タオルを人さし指に巻きます。
  3. おへその見える範囲を、くるりとなでる:力を入れず、指やタオルを奥へ押しこまないようにします。
  4. シャワーで泡をよく流す:石けんが残らないよう、おへその中まで流します。
  5. お風呂上がりに水分を拭き取る:タオルの角を軽く当てて、おへその中の水分を吸い取ります。

固まって取れないときは「一度で取ろうとしない」

かたまりが残っていても、一度で全部取ろうとしないことが大切です。同じコラムでは、ゴマが多いからといって無理に取るのは逆効果で、見える範囲をいつもきれいにしておくことが大切とされています。そのうえで、大きくて取れない、取ろうとすると痛いなどの症状がある場合は、病院での処置が必要とされています(出典:平戸市民病院「へそのゴマをとるとお腹が痛くなるのは本当?」)。

爪・ピンセット・綿棒で奥まで掘らない理由

黒い背景に並んだ綿棒。へそのごまを取るときは綿棒を奥まで入れない

へそのごまを取るとお腹が痛くなる、という話を聞いたことがあるかもしれません。平戸市民病院のコラムでは、へその中が傷ついて感染を起こすことがあり、へその下の腹膜が刺激されて痛みを感じるため、と説明されています。そのうえで、ゴマが多いからといって無理に取り除かないよう書かれています(出典:平戸市民病院「へそのゴマをとるとお腹が痛くなるのは本当?」)。

おへそ掃除でやめたいこと

  • 爪でかき出す:爪の先で皮膚に傷がつきやすくなります
  • ピンセットや耳かきでつまむ・掘る:先がかたく、奥の皮膚を傷つけるおそれがあります
  • 綿棒を奥まで入れてこする:綿棒を使うなら、見える範囲の入り口をなでる程度にします
  • 一度で全部取ろうとする:見える範囲の、取れる分だけにします
  • 痛い・赤いのに掃除を続ける:炎症のサインです。手を止めて受診を

消毒液を日常的に使う必要はない

ニオイが気になると、消毒液で拭きたくなるかもしれません。ですが、ふだんのおへそのケアは、上で紹介した石けんで洗って流し、よく乾かす方法が基本です。消毒薬などを含む市販の外用薬でかぶれ(接触皮膚炎)が起きることもあり、皮膚科のガイドラインでも注意が促されています(参考:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」)。赤みや膿があるときは、自分で消毒して様子を見るより、受診を優先してください。

おへそを清潔に保つための毎日の習慣

  • 体を洗うときに、おへその入り口を泡でなでる:毎回こすらず、指の腹で軽くなでる程度にします。
  • 泡をしっかり流す:おへそのくぼみに石けんが残らないようにします。
  • お風呂上がりは中まで乾かす:タオルの角で水分を吸い取ります。
  • 汗をかいたら着替える:厚着や暖房で汗をかいたインナーを着たままにしないようにします。
  • ベルトのバックルやボタンの当たる場所を見る:金属がふれる場所がかぶれることもあります。

お腹まわり以外の体のニオイや、汗のニオイ全体が気になる人は、こちらも参考にしてください。

参考:女性の汗が臭う原因と、部位別の対策

おへそのピアスをしている人

おへそのピアスの穴は、汚れがたまったり、金属でかぶれたりすることがあります。接触皮膚炎診療ガイドライン2020では、ピアスによってニッケルなどの金属アレルギーが生じることがあるとされています(出典:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」)。穴のまわりが赤い、腫れる、膿や臭い汁が出るときは、自分でいじらずに皮膚科で相談しましょう。

掃除せずに受診したいおへその症状

おへそが赤く腫れて痛む、膿が出るといった状態は、おへその炎症(臍炎)の可能性があります。筑波大学の腎泌尿器外科の解説では、尿膜管遺残に関連する臍炎では、おへそが痛み、膿が出ることがあり、重症化すると熱が出たり、おへそが赤く腫れたり、強い腹痛が起こったりすることがあるとされています(出典:筑波大学 腎泌尿器外科「尿膜管遺残」)。

繰り返すときは「尿膜管遺残」が隠れていることも

尿膜管は、お腹の中にいるときに膀胱とおへそをつないでいた管で、ふつうは生まれるまでに退化します。生まれたあとも残っている状態を「尿膜管遺残」といい、感染するとおへその炎症などの原因になります(出典:筑波大学 腎泌尿器外科「尿膜管遺残」)。

子どもの病気と思われがちですが、大人にも見つかります。仙台市立病院の報告では、尿膜管遺残は成人の0.02〜2%に認められ、画像検査で偶然見つかるか、感染をきっかけに診断されることが多いとされています。おへそ側に開いて途中で行き止まりになるタイプ(尿膜管洞)は、繰り返すおへその炎症をきっかけに見つかることが多く、膿のような分泌物が出るのが特徴とされ、一部では腹膜炎などに進んで重症化することもあると書かれています(出典:仙台市立病院医誌「腹腔鏡下手術後,尿膜管洞に膿瘍形成を来し治療に難渋した1例」)。

尿膜管遺残かどうかは、見た目だけではわからず、医療機関で画像検査などを行って調べます。「掃除しても臭い汁が出る」「何度も赤く腫れる」なら、掃除で何とかしようとせず受診してください。

受診の目安(大人のおへそ)

  • おへそが赤い、腫れている、触ると痛い
  • 膿や血、臭い汁が出る。下着に汁がつく
  • へそのごまが大きくて取れない、取ろうとすると痛い
  • おへその炎症を何度も繰り返す
  • おへその症状に加えて、熱がある、下腹部が痛い(早めに受診)
  • おへそのピアスの穴が赤い・腫れる・膿が出る

受診先は、まず皮膚科か外科が目安です。尿膜管遺残が疑われる場合は、泌尿器科や外科で検査や治療が行われることがあります。どこに行けばよいか迷うときは、かかりつけ医に相談してください。

突然の激しい腹痛、激しい腹痛が続く、顔色が明らかに悪いといったときは、迷わず119番に電話してください(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」)。救急車を呼ぶか迷うときは、救急安心センター事業(#7119。実施している地域のみ)に相談できます(出典:総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」)。

体のニオイが酸っぱい、いつもと違うと感じるときの考え方は、こちらでまとめています。

参考:体臭が酸っぱいときに考えられる原因と病気のサイン

参考:耳の裏が臭いときの原因と洗い方

へそのごま・おへその臭いのよくある質問

Q. へそのごまは取らずに放っておいてもいいですか?

少しあるだけで、赤みや痛みがなければ、無理に取る必要はありません。ニオイが気になるなら、入浴時に石けんの泡で入り口をやさしく洗い、取れる分だけ落としましょう。奥のかたまりを掘り出そうとしないことが大切です。

Q. へそのごまを取ったらお腹が痛くなりました。大丈夫ですか?

おへその中が傷ついたり、刺激されたりすると痛むことがあります。掃除はいったんやめて、様子を見てください。痛みが続く、赤く腫れてきた、膿が出る、熱が出たときは受診しましょう。突然の激しい腹痛や、激しい腹痛が続くときは119番に電話してください。

Q. 掃除してもすぐにおへそが臭くなるのはなぜですか?

おへその形が深い人は、垢や汗がたまりやすく、乾きにくいことがあります。入浴後に水分をよく拭き取り、汗をかいたら着替えるようにしましょう。汁が出る、下着に汁がつくといった場合は、感染などの可能性があるので受診してください。

Q. 赤ちゃんや子どものおへそも同じ方法で掃除していいですか?

この記事は大人向けの内容です。赤ちゃんのおへその手入れや、子どものおへそが赤い・汁が出るといった場合は、自己判断で掃除せず小児科に相談してください。

まとめ:へそのごまは「入浴時に泡でやさしく、取れる分だけ」。赤みや膿は受診を

  • へそのごまの正体は垢。垢や皮脂がたまり、汗とともに蒸れることがニオイの一因と考えられる
  • 掃除は入浴時に、石けんを含ませたタオルで入り口をくるりと。泡を流して、よく乾かす
  • 爪・ピンセット・綿棒で奥まで掘らない。一度で全部取ろうとしない
  • 大きくて取れない、取ろうとすると痛いときは病院へ
  • 赤み・腫れ・痛み・膿・臭い汁・発熱・下腹部痛、繰り返す炎症は、掃除せずに皮膚科・外科へ

まずは今夜のお風呂で、おへその状態を見てから、泡でやさしくなでて流すところから始めてみてください。

参考にした情報

※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。記事の内容は記事執筆時点(2026年11月)の情報です。

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