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子どもが吐いたら、経口補水液の前に、まず次のサインを確認してください。
ひとつでもあれば迷わず119番(#8000を待たない)
- 意識がない(返事がない)・もうろうとしている、けいれんが止まらない・止まっても意識がもどらない
- くちびるが紫色、顔色が明らかに悪い、呼吸が苦しそう・弱い
- 嘔吐が止まらない、便に血がまじった、おなかを激しく痛がる
- 生まれて3か月未満で、様子がおかしい
- 食べ物や薬などのあとに、じんま疹・唇の腫れ・ぜーぜー・息苦しさなどと嘔吐が急に一緒に出た
ひとつでもあれば夜間でも今すぐかかりつけ医か救急外来へ
- 水分がとれない、おしっこが半日以上出ない、ぐったりしている
- 吐いたものに血や緑色のもの(胆汁)がまじっている
どちらにも当てはまらず、休日・夜間の受診や対処に迷うときは、子ども医療電話相談#8000に相談できます。
これらのサインがなく、薬・洗剤・たばこなどの誤飲や頭を打った疑いもなければ、家で水分補給を始めます。嘔吐があってもスプーン1杯(約5mL)を5分おきから始め、吐かなければ少しずつ増やすのが基本です。また吐いたら、スプーン1杯からやり直します。
この記事でわかること
- 119番・今すぐ受診・#8000の目安
- 飲ませ始めるタイミングと、1回の量・間隔
- 母乳・食事の再開と、脱水のサイン
- スポーツドリンク・イオン飲料との違い
まず確認|119番・すぐ受診・#8000の目安
持病がある子や、医師から水分・塩分の指示を受けている子は、主治医の指示を優先してください。
迷わず119番のサイン
冒頭の「迷わず119番」の項目のうち、食べ物や薬のあとの症状(下記のアナフィラキシー)以外は、厚生労働省と総務省消防庁が子どもですぐに救急車を呼ぶ症状として挙げているものです(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」、総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」)。同じ資料では、次の場合なども119番の対象です。
- 激しい下痢や嘔吐で水分がとれず、食欲がなく、意識がはっきりしない
- 激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう
- 親から見て、いつもと違う・様子がおかしい
食べ物や薬などのあとに、じんま疹・唇の腫れ・ぜーぜー・息苦しさなどと嘔吐が急に一緒に出たときは、アナフィラキシーの疑いがあり、直ちに119番です。エピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方されている子は、医師から説明された使用の目安の症状が1つでもあればすみやかに使い、119番で救急車を呼びます(出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル アナフィラキシー(令和8年2月改定)」)。
反応がなく、普段どおりの呼吸がない、または判断に迷うときは、119番に通報し、ためらわずに胸骨圧迫を始めます(出典:総務省消防庁「応急手当WEB講習」)。
今すぐかかりつけ医・救急外来へのサイン
冒頭の「夜間でも今すぐ」の2項目は、大阪急性期・総合医療センターの資料で「今すぐ」かかりつけ医か救急外来へ、とされているものです(出典:大阪急性期・総合医療センター「こどもの病気 嘔吐」)。船橋市医師会監修のガイドブックでは、10〜30分おきくらいに腹痛を繰り返すときも受診の目安です(出典:船橋市「小児救急ガイドブック(令和7年度版)」)。
年齢で変わる注意点
| 年齢 | とくに気をつけたいこと |
|---|---|
| 生後3か月未満 | 様子がおかしいときは119番。母乳・ミルクのたびに勢いよく吐くのを繰り返すときは、すぐ受診(さいたま市) |
| 乳児(1歳未満) | スプーンやスポイトで少しずつ。母乳・ミルクは薄めずに続ける。経口補水液を使うかと量は小児科で確認を |
#8000に相談するとき、頭を打った・誤飲したときは別に考える
#8000は119番の代わりではありません。119番のサインがなく、休日・夜間の受診や対処に迷うときに、小児科医師・看護師に相談できます。受付時間は都道府県で異なります(出典:厚生労働省「子どもの症状は#8000」)。
頭を打ったあとに吐いた、または意識がぼんやりしているときは、横向きに寝かせて119番を呼び、その場から動かさないよう案内されています(出典:こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」)。
薬・洗剤・たばこなどを誤って飲んだ・食べた疑いがあるときは、自己判断で吐かせたり飲ませたりせず、中毒110番に相談します(大阪072-727-2499、つくば029-852-9999。24時間。出典:日本中毒情報センター「一般の皆さま」)。意識がない、けいれんがあるときは119番です(出典:日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら」)。
吐いたあと経口補水液はいつから?飲ませ始める目安
119番・今すぐ受診のサインがなければ、嘔吐があっても、ごく少量から早めに始めます。日本小児感染症学会などのガイドラインの案では、脱水がないか軽度〜中等度の子の初期治療は経口補水療法が第一選択です。1回5〜10mLを3〜5分ごとに飲ませ、吐かなければ徐々に増やすのが原則で、症状が出てから3〜4時間以内に始めると重症化の防止につながるとされています(出典:日本小児感染症学会ほか「小児消化管感染症診療ガイドライン2024(案)」。パブリックコメント用に公開された案で、最終版は書籍として刊行)。
東北大学病院の資料も「嘔吐が続いていても」5mLから始めるとし、絶食は間違いとしています。たくさん吐いた直後や吐き気が強いときは、しばらくおなかを休ませてから始めるよう案内する資料もあります(大阪急性期・総合医療センター、船橋市)。ただし吐き続けて飲めない、ぐったりしてきた、おしっこが半日以上出ないときは、待たずに受診してください。
吐いている最中や直後に横になっているときは、吐いたもので気道がふさがって窒息しないよう、大人がそばで見守りながら一時的に体や頭を横に向けます(出典:さいたま市「こども救急箱 小児救急ガイドブック」)。吐き気がおさまって1歳未満の赤ちゃんをふだんどおり寝かせるときは、医師から別の指示がない限り「あおむけ」に寝かせます(参考:こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」)。
何mL・何分おき?スプーン1杯から始める飲ませ方

東北大学病院の病児保育室の資料の手順です(出典:東北大学病院 病児保育室「嘔吐下痢時のケア」)。
- 5mLから始める:ティースプーンかペットボトルのキャップ1杯程度。
- 5分後に次をあげる:飲めたら10mL、吐いたり飲めなかったりしたら、また5mL。
- 5分おきに30分続ける:少量を回数多く。
- 吐かなければ少しずつ増やす:おさまってきても、急に大量に飲ませない。
船橋市のガイドブックも1回5mLくらいから5分おきで、欲しがるまま与えず「ちびちび」と徐々に増やすとしています。目安は体重10kgの子で3〜4時間に、嘔吐なら300mL程度、下痢なら400mL程度です(出典:船橋市「小児救急ガイドブック(令和7年度版)」)。
また吐いたら、スプーン1杯からやり直す
途中で吐いたら、もう一度スプーン1杯から始めます(出典:大阪急性期・総合医療センター「こどもの病気 嘔吐」)。
母乳・ミルク・食事はいつから再開する?
| もの | 資料の目安(大阪=大阪急性期・総合医療センター、東北大=東北大学病院) |
|---|---|
| 母乳・ミルク | 薄めなくてよい(大阪)、通常どおりで構わない(東北大)。水分をある程度とっても吐かなければ開始(船橋市) |
| 離乳食 | 嘔吐がおさまれば、1段階前に戻した食事から(東北大) |
| 幼児の食事 | 吐き気がおさまり、水分をとっても吐かなければ、おかゆやうどんなどの炭水化物を少量ずつ(大阪、船橋市) |
| 控えたいもの | 吐き始めは固形物、牛乳・乳製品、炭酸飲料、柑橘類(船橋市)。油の多いもの(大阪)。ジュースなど糖分の多いもの(東北大) |
脱水のサインをチェック|おしっこ・口の乾き・ぐったり
| 見るところ | 脱水のサイン | こうなったら |
|---|---|---|
| おしっこ | 量が少ない・色が濃い | 半日以上出ないときは今すぐ受診 |
| 口・くちびる・舌 | 乾いている | 顔色の悪さもあれば今すぐ受診 |
| 目・皮膚 | 目が落ちくぼむ、目がトロンとしている。皮膚の張りがなく、しわしわしている | 受診するか、#8000に相談 |
| 全身の様子 | 元気がない、ぐったりしている | 今すぐ受診。意識がはっきりしないときは119番 |
サインは船橋市、受診の目安は大阪急性期・総合医療センターの資料です。おむつを替えた回数を記録しておくと、受診や#8000で伝えやすくなります(さいたま市)。
参考:汗をかくと尿が出ないのはなぜ?汗と尿の関係と脱水のサイン
経口補水液とスポーツドリンク・乳幼児用イオン飲料の違い
消費者庁によると、経口補水液は医薬品ではなく特別用途食品(病者用食品)で、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水時に水と電解質を補給するための飲み物です。スポーツドリンクよりナトリウムやカリウムが約3〜4倍多く、脱水状態でない人が普段の水分補給として飲むものではないとされています。医師からナトリウム・カリウムや糖質の制限を指示されている子は、使う前に必ず医師に相談してください(出典:消費者庁「ご存じですか?経口補水液の知識」)。
| 飲み物 | 位置づけ | 吐いた・下痢のときは |
|---|---|---|
| 経口補水液 | 特別用途食品(病者用食品)。電解質が多く、糖は控えめ | 脱水時の補給に。医師や管理栄養士などと相談して使う |
| 乳幼児用イオン飲料 | ベビー飲料 | 船橋市の資料では「経口補水液が望ましいが、乳幼児用イオン飲料でもよい」 |
| スポーツドリンク | 清涼飲料水。ナトリウム9〜23mEq/L(オーエスワンは50)、炭水化物6〜10%(同2.5%、うちブドウ糖1.8%)(出典:大塚製薬工場「電解質と糖質の配合バランス」) | 大阪急性期・総合医療センターの資料では、糖分を多く含むスポーツドリンクは避ける |
下痢止め・吐き気止めは自己判断で使わない
厚生労働省は、ノロウイルスの胃腸炎では、下痢止め薬は回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいとしています(出典:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」)。吐き気止めを含め、子どもに薬を使うかは自己判断せず、医師・薬剤師に相談しましょう。
子ども向けに使われる経口補水液2つ
どちらも消費者庁許可の病者用食品で、病気を治すものではありません。表示と専門家の指導に沿って使い、赤ちゃんや持病のある子は使う前に小児科に相談してください。
乳幼児向けの小分けタイプ:アクアライトオーアールエス
和光堂の乳幼児向けの経口補水液(125mL×3本)です。ウイルス性の感染性胃腸炎による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水症状での水分・電解質の補給に適しているとされ、対象は「0か月から」。メーカーは「必ず専門家の指導を受けて」使うよう書いています(出典:和光堂「アクアライトオーアールエス」商品情報)。経口補水液ではないベビー飲料「ベビーのじかん アクアライト」と間違えないよう、名前を確かめて選びましょう。
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※画像は楽天市場の販売ページより。価格・在庫・仕様はリンク先で最新情報をご確認ください。
乳児から大人まで目安量が示されたボトル:オーエスワン
大塚製薬工場の経口補水液で、軽度から中等度の脱水症における水・電解質の補給、維持に適した病者用食品です。1日の目安量は学童〜成人500〜1000mL、幼児300〜600mL、乳児は体重1kgあたり30〜50mLで、脱水状態に合わせて増減します。許可表示では、医師から指示された場合に専門家の指導に従って飲むこと、多く飲めば元の病気がよくなるわけではないことも示されています(出典:大塚製薬工場「オーエスワン PETボトル」製品情報)。
薄めたり混ぜたりせず、そのまま飲みます(出典:大塚製薬工場「オーエスワンを薄めたり、何かに混ぜてもいいですか?」)。
参考:子どもが布団やカーペットに吐いたときの処理と消毒の手順
子どもの嘔吐と経口補水液のよくある質問
Q. 経口補水液を嫌がって飲みません。どうすればいいですか?
始めは嫌がっても、少量ずつ根気よく続けるよう東北大学病院の資料にあります。乳児は母乳・ミルクを少しずつでもかまいません(大阪急性期・総合医療センター)。それでも水分がとれないときは、今すぐ受診の目安です。
Q. 夜中に吐きました。朝まで待って受診してもいいですか?
119番や今すぐ受診のサインがなく、吐き気がおさまって水分や食事がとれ、下痢や発熱もなければ、様子を見て通常の診療時間内に受診する目安です(船橋市)。迷うときや、生後3か月未満の赤ちゃんは、朝まで待たずに#8000などに相談しましょう。
まとめ:吐いたら「サインの確認→スプーン1杯から少しずつ」
- 意識・呼吸の異常、けいれん、嘔吐が止まらない、血便、激しい腹痛、頭を打ったあとの嘔吐、じんま疹や息苦しさを伴う嘔吐 → #8000を待たず119番。誤飲の疑いは中毒110番
- 水分がとれない、おしっこが半日以上出ない、ぐったり、血や緑色のものを吐いた → 今すぐ受診。119番のサインがなく、休日・夜間の受診や対処に迷うときは#8000
- 嘔吐があっても5mLを5分おきから。吐かなければ少しずつ増やし、また吐いたらやり直す
- 母乳・ミルクは薄めずに。食事は吐き気がおさまってから少量ずつ
- 持病のある子は主治医の指示を優先
参考にした情報
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 厚生労働省「子どもの症状は#8000」
- 総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
- 消費者庁「ご存じですか?経口補水液の知識」
- 大阪急性期・総合医療センター「こどもの病気 嘔吐」
- 東北大学病院 病児保育室「嘔吐下痢時のケア」
- 船橋市「小児救急ガイドブック(令和7年度版)」
- さいたま市「こども救急箱 小児救急ガイドブック」
- 大塚製薬工場「オーエスワン PETボトル」製品情報
- 大塚製薬工場「電解質と糖質の配合バランス」
- 大塚製薬工場「オーエスワンを薄めたり、何かに混ぜてもいいですか?」
- こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル アナフィラキシー(令和8年2月改定)」
- 日本小児感染症学会ほか「小児消化管感染症診療ガイドライン2024(案)」(パブリックコメント用。最終版は書籍で刊行)
- 日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら」
- 日本中毒情報センター「一般の皆さま」
- 総務省消防庁「応急手当WEB講習」
- 和光堂「アクアライトオーアールエス」商品情報
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。商品の価格や仕様は記事執筆時点(2026年11月)の情報です。
