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「汗をかいたら塩分をとらないといけないって聞くけど、本当?」
「塩分のとりすぎは体に悪いはずなのに、どっちが正しいの?」
熱中症対策として「塩分補給」はよく聞きますが、どのくらい、いつとればいいのかは意外とわかりにくいですよね。
先に結論をお伝えすると、ふだんの生活でかく汗なら、特別に塩分をとる必要はほとんどありません。塩分補給が必要なのは、スポーツや屋外作業などで大量に汗をかいたときです。
この記事では、汗で失われる塩分の量、塩分補給が必要な場面、飲み物の目安と自分でつくる方法、飲むタイミングまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 汗で失われる塩分と、日本人の塩分摂取量
- 塩分補給が「必要な場面」と「いらない場面」
- 水だけを飲むと起こる「自発的脱水」とは
- 塩分補給の目安量・飲み物の作り方・タイミング
- 冬の汗と塩分で気をつけたいこと
汗をかくとどれくらい塩分が失われる?
汗をなめるとしょっぱいように、汗には塩分(ナトリウム)が含まれています(出典:MSDマニュアル家庭版「汗の病気に関する序論」)。汗の塩分の濃さは人や汗のかき方によって差があり、汗の量が多いほど汗の塩分は濃くなりやすいとされています(出典:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)」)。
汗がしょっぱくなる仕組みや、服に白い塩が残る理由はこちらで解説しています。
日本人は、ふだんから塩分をとりすぎている
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、大人の食塩の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」)。
一方、令和5年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の1日の平均は約9.8g(出典:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」)。つまり、多くの人は目標より塩分を多くとっています。
そのため、エアコンの効いた室内で過ごす日や、通勤・家事でじんわり汗をかく程度なら、食事からの塩分で足りていることがほとんどです。この場合に塩飴などを追加でとると、塩分のとりすぎになり、高血圧の原因にもなりかねません。
塩分補給が必要な場面・いらない場面
| 場面 | 汗の量の目安 | 補給のしかた |
|---|---|---|
| 室内で過ごす・デスクワーク | 少ない | 水・お茶をこまめに。塩分の追加は不要 |
| 通勤・買い物・軽い家事 | じんわり汗ばむ | 水・お茶をこまめに。食事をしっかりとる |
| 1時間以上の運動・屋外作業 | 服が濡れるほど | 塩分と糖分を含む飲み物で補給 |
| 真夏の炎天下・大量の汗 | 汗が垂れる・服に白い跡 | スポーツドリンクや経口補水液、塩分タブレットを活用 |
水だけを飲むと危ない?「自発的脱水」とは

人の体液には、一定の濃さの塩分が含まれています。大量に汗をかいたあとに水だけをたくさん飲むと、体液の塩分が薄まります(出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 日常生活での注意事項」)。
すると体は、これ以上塩分が薄まらないように、のどの渇きを感じにくくしたり、水分を尿として出したりします。その結果、水を飲んでいるのに体の水分が回復しにくい状態になることがあります。これは「自発的脱水」と呼ばれ、熱中症や筋肉のけいれん(熱けいれん)の原因になることがあります(参考:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)」)。
汗と尿の関係については、こちらも参考にしてください。
参考:汗をかくと尿が出ないのはなぜ?汗と尿の関係と脱水のサイン
大量に汗をかいたときの塩分補給の目安
日本スポーツ協会の熱中症予防の資料などでは、運動中の飲み物として0.1〜0.2%の食塩(100mlあたり食塩0.1〜0.2g)と、4〜8%程度の糖質を含むものがすすめられています。市販のスポーツドリンクの多くは、この条件に近いつくりになっています(出典:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)」)。
自分でつくる場合
手づくりドリンクの目安(1リットル分)
- 水:1リットル
- 食塩:1〜2g(小さじ約1/6〜1/3)(出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 運動・スポーツ活動時の注意事項」)
- 砂糖:40〜80g(好みで調整。レモン汁を加えると飲みやすくなります)
持ち歩きや、水と一緒にとりたいときは、塩分タブレットや塩飴も便利です。パッケージに書かれた1回の目安量を守って使いましょう。
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※画像は楽天市場の販売ページより。価格・在庫・仕様はリンク先で最新情報をご確認ください。
高血圧・腎臓病・心臓病などで塩分や水分の制限がある人は、塩分補給の方法を医師に確認してください。スポーツドリンクは糖分も多いため、ふだんの水分補給がわりに飲みすぎないようにしましょう(参考:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 日常生活での注意事項」)。
塩分・水分をとるタイミング

一度にたくさん飲むと、おなかがゆるくなったり、体がだるくなったりすることがあります。「前・中・後」に分けて少しずつが基本です。
| タイミング | 目安 |
|---|---|
| 運動・作業の前 | のどが渇く前から、こまめに飲んでおく |
| 運動・作業中 | 15〜20分ごとに、150〜250ml程度を目安に飲む |
| 運動・作業のあと | 一気飲みせず、減った体重の分を目安に数回に分けて飲む |
運動の前後で体重をはかり、減った体重が2%を超えないように水分をとるのもひとつの目安です(体重60kgの人なら1.2kg。出典:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)」)。
大量の汗のあとに足がつりやすい人は、水分と塩分が足りていないのかもしれません。
冬の汗と塩分。気をつけたいのは「とりすぎ」と「隠れ脱水」
冬は汗をかく量が減るので、塩分補給が必要な場面は少なくなります。むしろ、鍋料理や汁物、漬物などで塩分をとりすぎやすい季節です。
一方で、暖房の効いた乾燥した部屋、こたつや電気毛布、厚着やニットで汗ばむ状態が続くと、気づかないうちに水分が失われる「隠れ脱水」が起こりやすくなります。
- 冬は塩分よりも「水分」を意識して、温かいお茶や白湯をこまめに
- 冬のスポーツやスキー、ジムでのトレーニング時は、夏と同じように塩分も補給
- 汁物はスープを残すなど、ふだんの食事は減塩を心がける
受診の目安
- 水分と塩分をとっても、めまい・頭痛・吐き気がよくならない
- 手足のけいれんや、強いだるさが続く
- 自分で水分をとれない、意識がぼんやりしている(すぐに119番)
塩分補給のよくある質問
Q. 梅干しや塩飴でも塩分補給になりますか?
なります。大量に汗をかいたときに、水と一緒にとるのがポイントです。梅干しは塩分の多い食品なので、ふだんの日は食べすぎに注意しましょう。
Q. 経口補水液とスポーツドリンクのちがいは?
経口補水液は塩分が多めで糖分が少なめ、脱水になったときの補給を目的につくられています。スポーツドリンクは運動中の水分・エネルギー補給向きです。ふだんの水分補給は水やお茶で十分です(参考:熊本大学病院 地域医療連携センター「脱水について」)。
Q. 子どもにも塩分補給は必要ですか?
外遊びやスポーツで大量に汗をかいたときは、子どもも水分と塩分の補給が大切です。量や飲ませ方に不安があるときや、ぐったりしているときは、小児科に相談してください。
Q. 塩分タブレットはたくさん食べても大丈夫?
塩分タブレットや塩飴は、商品ごとに1粒あたりの食塩相当量と1日の目安が書かれています。大量に汗をかいた日に、水と一緒に目安の範囲で使いましょう。汗をかいていない日におやつ感覚で食べると、塩分のとりすぎにつながります。
Q. 汗をかいたあとのビールは水分補給になる?
アルコールには尿を出しやすくする働きがあるため、水分補給にはなりにくいと考えましょう(出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 日常生活での注意事項」)。お酒を飲むときは、同じくらいの量の水も一緒にとるのがおすすめです。
まとめ:塩分補給は「汗の量」で判断する
- ふだんの汗なら、追加の塩分は不要。むしろ減塩を意識
- 1時間以上の運動や炎天下での作業では、塩分と糖分を含む飲み物を
- 水だけを大量に飲むと「自発的脱水」になることがある
- 飲むタイミングは「前・中・後」に分けて少しずつ
- 冬は塩分のとりすぎと、暖房による隠れ脱水に注意
汗の仕組みや、汗かきの原因を全体から知りたい人は、こちらもどうぞ。
参考にした情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」
- 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」
- MSDマニュアル家庭版「汗の病気に関する序論」
- 日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)」
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 日常生活での注意事項」
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022 運動・スポーツ活動時の注意事項」
- 熊本大学病院 地域医療連携センター「脱水について」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。記事の内容は執筆時点(2026年10月)の情報です。
