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結論:冬のパジャマ素材はこう選ぶ
- 寝汗をかく人:汗を吸いやすい綿(ネル・スムース)・ガーゼ・ウール・シルクを選ぶ
- 乾燥肌・静電気が気になる人:肌ざわりのやわらかい綿やガーゼ。寝具との素材の組み合わせにも注意
- 寒がりの人:素材より「重ね方」と「寝具」。パジャマを厚くしすぎない
冬はパジャマを暖かいものに替えたくなりますが、フリースや厚手のものに替えたら夜中に汗をかいて目が覚める、ということもあります。
冬のパジャマの素材は、暖かさだけでなく「汗を吸えるか」「肌に合うか」で選びます。迷ったら綿のネル(起毛)かスムースが基本で、寒さは布団や毛布で調整します。素材ごとの違いは比較表にまとめました。
この記事でわかること
- 綿・ガーゼ・ウール・シルク・フリース・吸湿発熱素材の比較表
- 寝汗・乾燥肌・寒がり、悩み別の選び方
- 厚着しすぎを防ぐ重ね方
冬でも寝ているあいだに汗をかく
長寿科学振興財団の健康長寿ネットでは、寝ているときには体内から熱が放出され、発汗して体温が下がると説明されています(出典:健康長寿ネット「快眠のための寝具選びとケアのポイント」)。
睡眠中の寝具の中は温度33℃前後、湿度50%前後がよいとされています(出典:健康長寿ネット「快眠のための環境作り」)。冬は布団を重ねるぶん、湿気がこもりやすくなります。肌にいちばん近いパジャマが汗を吸えるかどうかが大切です。
厚生労働省の睡眠ガイドも、寝室は暑すぎず寒すぎない温度にし、リラックスできる寝衣・寝具で眠ることが良い睡眠につながるとしています(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。
冬のパジャマ素材を比較

水分の含みやすさ(吸湿性)は、家庭用品品質表示法の「繊維製品品質表示規程」別表第三にある水分率が参考になります。品質表示の混用率を計算するときに使う、繊維ごとの水分の基準値で、数字が大きいほど水分を含みやすい繊維といえます(出典:消費者庁「繊維製品品質表示規程」別表第三)。ただし、汗を吸い上げる速さや乾きやすさは、繊維だけでなく生地の厚み・織り方や編み方・加工でも変わります。
| 素材 | 水分率(吸湿性の参考値) | 保温 | 肌ざわり | 静電気 | 洗濯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 綿(ネル・スムース) | ○(8.5%) | ネル(起毛)は○、スムースは△〜○ | やわらかい | 起きにくい | 家で洗いやすい |
| ガーゼ(綿) | ○(8.5%) | 重ねた枚数による(二重・三重など) | ふんわり軽い | 起きにくい | 洗うほどやわらかくなりやすい |
| ウール(毛) | ◎(15.0%) | ◎ | チクチクが気になる人も | 起きやすい組み合わせあり | 縮みやすい。洗濯表示を確認 |
| シルク(絹) | ◎(12.0%) | ○ | なめらか | 中間 | デリケート。手洗い・ネット推奨のものが多い |
| フリース(ポリエステル) | △(0.4%) | ◎ | ふわふわ | 起きやすい | 乾きやすい。毛玉に注意 |
| 吸湿発熱素材(化学繊維など) | 製品による | ○ | なめらかなものが多い | 製品による | 洗濯表示を確認 |
※水分率は消費者庁「繊維製品品質表示規程」別表第三の値(綿8.5%、麻及び絹12.0%、毛15.0%、ポリエステル系合成繊維0.4%)。保温・肌ざわり・静電気・洗濯は一般的な傾向で、生地の厚みや織り方、混ぜている素材で変わります。
綿(ネル・スムース):迷ったらまずここから
ここでいう綿ネル(フランネル)は、綿の生地の表面を起毛させたもので、空気を含んで暖かく感じやすい生地です。スムースは伸び縮みする編み地(ニット)です。どちらも汗を吸いやすく家で洗いやすいので、冬のパジャマの基本になります。
ガーゼ:軽さと肌ざわりを重視する人に
ガーゼは目のあらい綿の布を重ねた生地で、二重・三重と重ねるほど空気の層ができます。軽くて締めつけが少なく、重いパジャマが苦手な人に向いています。薄く感じるときは寝具で暖かさを足しましょう。
ウール・シルク:吸湿性が高く、冬に心強い天然素材
ウールとシルクは、規程の水分率が高い素材です。ウールは保温性も高い一方、肌が敏感な人はチクチク感が気になることがあります。シルクはなめらかですが、洗濯に気をつかいます。価格と手入れの手間もふまえて選びましょう。
フリース:暖かいけれど、寝汗をかく人は注意
フリースの多くはポリエステルで、規程の水分率は0.4%と低く、汗の水分をあまり含みません。暖かくて乾きやすい反面、寝汗をかく人は蒸れやすく、汗が肌に残りやすいことがあります。対処法はよくある質問で紹介します。
吸湿発熱素材:寝るときは「暖めすぎ」に注意
吸湿発熱をうたう素材は、体から出る水分を繊維が吸うときに熱が出る仕組みだと説明されることが多い素材です。繊維や混ぜ方は製品ごとに違うため、品質表示を確認しましょう。寝具の中はもともと暖かいので、重ねすぎると汗をかく原因になります。
悩み別:冬のパジャマ素材の選び方
| こんな人 | 選びたい素材 | あわせてやること |
|---|---|---|
| 寝汗をかく・夜中に目が覚める | 綿(ネル・スムース)、ガーゼ、ウール、シルク | 布団や暖房を少し弱める。フリースは避けるか下に綿を着る |
| 乾燥肌・かゆみが出やすい | 綿(ネル・スムース)、ガーゼ、シルク | 縫い目やタグが肌に当たりにくいものを選ぶ。寝る前の保湿 |
| 静電気が気になる | 綿、ガーゼ | 毛布・シーツとの組み合わせを見直す(下で解説) |
| 寒がり・手足が冷える | 綿ネル、ウール | パジャマを厚くするより、毛布や掛け布団の順番で調整 |
寝汗をかく人は「吸湿性」を最優先
綿のネルやスムース、ガーゼが手に入りやすく、洗濯もしやすい選択肢です。綿は汗をよく吸う一方で乾きにくいため、汗で湿ったまま朝を迎えると冷えやすくなります。寝汗が多い時期は替えのパジャマを用意しましょう。
乾燥肌の人は「肌ざわり」と「静電気」
日本皮膚科学会の手引きでは、皮膚が乾燥していると、羊毛素材やごわごわした素材などの衣類の刺激のような軽い刺激でもかゆみが出ることがあるとして、刺激のない衣類を選ぶようすすめています(出典:日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き 2021」)。素材名だけで決めず、肌に当たる面の感触を確かめましょう。肌に当たる面がやわらかい綿の起毛やガーゼ、なめらかなシルクが候補です。縫い目やタグ、きついゴムなどの締めつけが刺激にならないものを選びましょう。
静電気は、繊維の組み合わせでも起こりやすさが変わります。舞鶴市の消費生活センターの資料では、衣服の帯電列を+側から「羊毛→ナイロン→絹→レーヨン→綿→アセテート→ポリエステル→アクリル」と紹介し、この順番が離れた繊維どうしをこすり合わせるほど静電気が起きやすいと説明しています(出典:舞鶴市「くらしの豆知識 静電気注意報 衣服の静電気に気を付けて」)。たとえば、ウールの毛布にアクリルやポリエステルのパジャマを合わせると、パチパチしやすい組み合わせになります。
寒がりの人は「素材より重ね方と寝具」
厚生労働省の睡眠ガイドでは、冬は寝具を十分に使って寝床の中が暖かく保たれていれば、睡眠への影響は少ないと考えられるとしています。寒さ対策の中心は、パジャマではなく布団と毛布です。
同じガイドは、夜中のトイレや早朝に急な寒さにさらされると血圧が急に上がるおそれがあるとして、WHOの住環境ガイドラインが冬の室温を18℃以上に保つよう推奨していることも紹介しています。夜中に起きる人は、はおれるカーディガンやガウンを枕元に置いておきましょう。
参考:足が冷えて眠れない時の対策|靴下の是非と湯たんぽ・電気毛布の使い方
厚着しすぎに注意。冬の寝床の重ね方

寝るときの厚着は、汗をかいて明け方に冷える原因になります。次の点を見直してみてください。
厚着しすぎていないかチェック
- パジャマの下に、厚手のインナーを何枚も重ねていない
- 首元・手首・足首まで、ぴったり覆うものばかりを着ていない
- パジャマ・毛布・掛け布団のすべてが、汗を吸いにくい化学繊維になっていない
- 電気毛布や暖房を「強」のまま朝まで使っていない
- 朝起きたとき、パジャマや背中が汗で湿っていない
パジャマは「汗を吸える素材を1枚」、寒い日は「毛布を1枚足す」と、調整は寝具でします。厚生労働省の睡眠ガイドでは、就寝の約1〜2時間前に入浴して体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなるとしています。
素材がわかる冬のパジャマ
メーカーの公式ショップで素材と仕様を確認できたパジャマを、素材ごとの例として紹介します(順位ではありません)。
| 商品 | 素材(公式の表示) | 特徴 |
|---|---|---|
| グンゼ 婦人 綿100% ネル起毛パジャマ TP4085 | 綿100% ネル起毛 | 脇の縫い目なし、シャツタイプ、M〜LL |
| グンゼ 紳士 綿100% ネル起毛パジャマ SF4085 | 綿100% ネル起毛 | 脇の縫い目なし、テーラータイプ、M〜LL |
| 岩本繊維 三重ガーゼ ヘンリーネックパジャマ 14500pj017 | 綿100% 三重ガーゼ | 日本製、かぶり型、S〜L(レディース) |
グンゼ 綿100% ネル起毛パジャマ(婦人 TP4085/紳士 SF4085)
綿100%のネル起毛で、表側は軽く、肌側は深く起毛させた生地とグンゼの公式ショップで案内されています。上下とも脇の縫い目がない仕様です。寝汗をかく人や、肌ざわりを重視する人の冬の1着目に選びやすいタイプです(区分:雑貨)。
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男性用は、胸ポケットのついたテーラー(前開き)タイプです。
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岩本繊維 三重ガーゼ ヘンリーネックパジャマ(14500pj017)
綿100%の三重ガーゼを使った日本製のパジャマです。メーカーの公式ショップでは、洗濯機で丸洗いできる(40度以下・弱水流)こと、乾燥機や漂白剤は避けることが案内されています。軽さとやわらかさを重視する人に向いています。公式の表示は「1年中(特に春〜秋がベストシーズン)」なので、真冬は毛布や掛け布団で暖かさを足しましょう(区分:雑貨)。
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※素材・仕様は記事執筆時点(2026年10月)の各公式ショップの表示です。サイズ・色・在庫はリンク先でご確認ください。
寝汗やかゆみが続くときの受診の目安
パジャマや寝具を見直しても寝汗やかゆみが続く場合は、素材以外の原因も考えられます。次のようなときは医療機関に相談してください。
医療機関に相談したい目安
- 寝具や室温を調整しても、着替えが必要なほどの寝汗が続く
- 寝汗に加えて、発熱、意図しない体重減少、強いだるさがある(早めに内科へ)
- かゆみで眠れない、かき壊して皮膚がジュクジュクしている
- 新しいパジャマや洗剤に替えてから、赤みや湿疹が出た
日本呼吸器学会は、微熱やたんが続くときに考えられる病気のひとつとして肺結核をあげ、寝汗が続く、だるさが続いて体重が減るといった症状が同時に出てくることも多いとしています。心配な場合は早めに近くのクリニックや呼吸器内科を受診するよう呼びかけています(出典:日本呼吸器学会「Q7. 微熱とたんが続いています。」)。
寝汗は内科(せきやたんが続くときは呼吸器内科)、かゆみや湿疹は皮膚科が相談先の目安です。子どもの寝汗やかゆみが気になるときは、小児科に相談してください。
冬のパジャマ素材 よくある質問
Q. フリースのパジャマは寝汗をかきやすいですか?
汗の水分をあまり含まないため、布団や暖房と合わせて暑くなりすぎると、蒸れたり汗が肌に残ったりしやすくなります。寝汗が気になる人は綿などの吸湿性のある素材を選ぶか、下に綿のインナーを着る、布団や暖房を少し弱めるなど調整してみてください。
Q. ガーゼのパジャマは冬だと寒くないですか?
ガーゼは重ねる枚数が多いほど空気の層ができ、暖かく感じやすくなります。冬に選ぶなら、二重より三重など厚みのあるものが目安です。それでも寒いときは、パジャマを厚くするより、毛布を1枚足して調整しましょう。
Q. パジャマの上に靴下やレッグウォーマーをはいてもいいですか?
締めつけの少ないものなら取り入れてかまいません。足先をきつく覆うと熱を逃がしにくくなることもあります。くわしくは足が冷えて眠れない時の対策で解説しています。
Q. パジャマはどのくらいの頻度で洗えばいいですか?
冬でも寝ているあいだに汗をかくので、こまめに洗うのが基本です。寝汗が多い人は2〜3着を交代で着ると、乾ききっていないパジャマを着ずにすみます。ウールやシルクは洗濯表示に従いましょう。
まとめ:冬のパジャマは「汗を吸う素材」を選び、暖かさは寝具で調整
- 冬でも寝ているあいだに汗をかく。パジャマは吸湿性を重視
- 寝汗をかく人は綿(ネル・スムース)・ガーゼ・ウール・シルク
- 乾燥肌・静電気が気になる人は、肌ざわりと寝具との組み合わせを見る
- フリースは暖かいが汗を吸いにくい。寝汗が多い人は注意
- 寒がりの人は、パジャマを厚くするより毛布・布団で調整する
まずは手持ちのパジャマの品質表示を見て、素材を確かめてみてください。
参考にした情報
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 消費者庁「繊維製品品質表示規程」
- 健康長寿ネット(長寿科学振興財団)「快眠のための環境作り」
- 健康長寿ネット(長寿科学振興財団)「快眠のための寝具選びとケアのポイント」
- 舞鶴市「くらしの豆知識 静電気注意報 衣服の静電気に気を付けて」
- 日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き 2021」
- 日本呼吸器学会「Q7. 微熱とたんが続いています。」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。商品の価格や仕様は記事執筆時点(2026年10月)の情報です。パジャマは衣類(雑貨)であり、病気の予防や治療を目的としたものではありません。
