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子どもが熱を出したとき、冷却シートを貼ればよいのか迷う方もいるでしょう。この記事では、まず救急のサインを確かめ、そのうえで冷やす・温めるの見分け方と、冷却シートを安全に使うための注意をまとめます。
先に結論
- けいれんが止まらない、意識がおかしい、呼吸が苦しそう、くちびるが紫色などは、冷やすより先に119番(発熱時にとくに注意したい主なサインは下の囲み)
- 冷却シートは熱を下げる治療ではなく、ひんやりして気持ちよく感じるためのもの。子どもが嫌がるなら、使わなくてかまいません
- 寒がる・震える(熱の上がり始め)ときは温かく、暑がる(上がりきった)ときは薄着に。冷やすなら、嫌がらない範囲で首・わきの下・足の付け根などを冷やします
- 小さい子は、シートがずれて口や鼻をふさぐおそれがあります。目を離すとき・大人も眠るときは、貼ったままにしないでください
この記事でわかること
- すぐ119番・夜間でも受診・様子見と#8000の3段階
- 冷却シートで熱は下がるのか(製品表示と公的資料)
- 冷やす?温める?熱の上がり始めと上がりきったとき
- 口や鼻をふさぐ・誤食・かぶれなど、冷却シートの注意
冷やす前に確認|すぐ119番・夜間でも受診・#8000
次のようなときは、冷却シートより先に119番で救急車を呼んでください:けいれんが止まらない・止まっても意識がもどらない、意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)、手足が硬直している、頭を痛がってけいれんがある、くちびるの色が紫色、顔色が明らかに悪い、激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しそう、呼吸が弱い、激しい下痢や嘔吐で水分が取れず食欲がなく意識がはっきりしない、嘔吐が止まらない、激しいおなかの痛みで苦しがる、便に血がまじった、生まれて3か月未満の乳児の様子がおかしい(出典:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」、総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」)。
同じ消防庁の資料では、お母さんやお父さんから見て、いつもと違う・様子がおかしい場合も、すぐ119番の対象です。119番のサインがなければ、次の表で急ぐ度合いを考えます。
| 段階 | サイン |
|---|---|
| ①すぐ119番 | 上の囲みのサイン(けいれんが止まらない、意識がおかしい、呼吸が苦しそう、3か月未満の乳児の様子がおかしい など) |
| ②その日のうちに・夜間でも受診 | 生後3か月未満で38℃以上の熱。けいれんを起こした(おさまって意識がもどったとき)。水分がとれない(暑い場所にいたあとで自力で水が飲めないときは119番)、おしっこの回数が少ない(半日くらい出ていない)。下痢や嘔吐をくり返した(嘔吐が止まらない、水分が取れず意識がはっきりしないときは119番)。熱が40℃を超えている。元気がなく、ぐったりしている(意識がはっきりしていて、顔色も悪くないとき) |
| ③様子を見ながら、迷ったら#8000 | ①・②のサインがなく、熱があっても機嫌がよく、水分がとれて、おしっこも出ている |
参考:①は厚生労働省・総務省消防庁、②③は厚生労働省「上手な医療のかかり方」(子ども向けの資料)、長野市「熱が出たら」、宇都宮市「38度以上の熱が出た」の目安をもとにしています。表は目安です。119番のサインがあるときは119番へ。サインがなく、休日・夜間に受診を迷うときは#8000に相談してください(受付時間は都道府県で異なります)。
「ぐったりしている」は、資料によって扱いが分かれます。厚生労働省の子ども向けの資料では時間外でも早めに受診する目安ですが、宇都宮市の資料では「意識がない」「顔色が悪い」と並んで、救急車を呼ぶ目安にも挙げられています。ぐったりして呼びかけへの反応が弱い、顔色が悪いときは、迷わず119番にしてください。
生後3か月未満で38℃以上の熱があるときは、夜間でもすぐに受診してください(出典:長野市「熱が出たら」)。この月齢は症状がわかりにくく免疫力も低いため、重い感染症に進みやすいと説明されています(出典:神戸大学大学院医学研究科 小児科学分野「3ヶ月未満の児の発熱への対応」)。
119番のサインがなく、休日・夜間に受診するか迷うときは、子ども医療電話相談#8000で小児科医や看護師に相談できます。休日・夜間の相談窓口で、受付時間は都道府県で異なります(出典:厚生労働省「子どもの症状は♯8000」)。119番のサインがあるときは、#8000を待たずに119番です。
冷却シートで子どもの熱は下がる?貼る意味
結論からいうと、冷却シートは熱を下げる治療ではなく、ひんやりして気持ちよく感じるためのものです。小林製薬「熱さまシート」は、ジェルの水分が熱を吸って蒸発することで肌の温度を下げるしくみで、「冷却効果は体感温度と必ずしも一致しません」「本品は医薬品ではないので、高熱や発熱が続く場合は医師に相談する」と書かれています(出典:小林製薬「熱さまシート」製品情報)。
厚生労働省の子ども向けの資料では、熱のときの家でのケアは、首の横・わきの下・足の付け根などを水でぬらしたタオルで冷やす、水分補給などで、冷却シートは「要注意(窒息・誤飲の危険)」とされています(出典:厚生労働省「上手な医療のかかり方」(子ども向けの資料))。神戸こども初期急病センターも、貼るタイプの冷却剤は熱を下げる効果は期待できず、はがれて口をふさぐ危険があるので注意するよう案内しています(出典:神戸こども初期急病センター「熱を出したとき(38度以上の熱)」)。
つまり、貼る意味は「子どもが気持ちよさそうにしているなら使ってよい」という程度です。嫌がるなら、無理に貼る必要はありません。
冷やす?温める?熱の上がり始めと上がりきったとき
| 様子 | 熱の段階 | すること |
|---|---|---|
| ゾクゾクして寒がる、手足が冷たい、震える | 熱の上がり始め | 温かくしてあげる。冷やすのは控える |
| 暑がる | 熱が上がりきったころ | 衣服や布団の枚数を減らして調節。嫌がらなければ首・わきの下・足の付け根などを冷やす |
| 冷やすのを嫌がる | どちらでも | 無理に冷やさない。水分と休むことを優先 |
出典:厚生労働省「上手な医療のかかり方」(子ども向けの資料)、宇都宮市「38度以上の熱が出た」、長野市「熱が出たら」
ガタガタ震えているように見えても、呼びかけに返事がない、もうろうとしている、手足が硬直しているときは119番です。
なお、ここでの「冷やす・温める」は、かぜなどの感染症による発熱の場合です。暑い場所にいたあとの高熱(熱中症など)は、温めず、すぐに体を冷やす必要があり、解熱剤は効きません。ぐったりしているときは重症なので、すぐに医療機関を受診するよう案内されています(出典:長野市「熱が出たら」)。自力で水が飲めない、意識がない(返事がない)、またはおかしい(もうろうとしている)ときは119番です(出典:厚生労働省「熱中症予防のために」、総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」)。
冷やすなら首・わきの下・足の付け根を、嫌がらない範囲で
長野市の資料では、高熱のときは嫌がらなければ、頭、首の両側、わきの下、太ももの付け根をおしぼりなどで冷やすよう案内されています(出典:長野市「熱が出たら」)。熱さまシートのメーカーQ&Aでも、おでこ以外に首・ワキ・脚の付け根などに貼れるとされています。ただし目のまわりや粘膜、皮膚に異常のある部分は避けます(出典:小林製薬「おでこ以外の部位に貼ってもいいですか?」)。
保冷剤を使う場合は、じかに肌に当てずタオルなどで包み、嫌がるなら無理に続けません(参考:総務省消防庁「緊急度判定プロトコル」(発熱の家庭での対処))。子どもが袋をかじって中身を食べたという相談もあるため、手に持ったりかじったりしていないか、袋が破れていないかも確かめます(出典:日本中毒情報センター「保冷剤の誤飲事故に注意しましょう!」)。
冷却シートの注意|口や鼻をふさぐ・誤食・かぶれ
乳幼児の口や鼻にシートが貼りつくと、息ができなくなるおそれがあります。製品の表示では、乳幼児に使うときは、口や鼻に貼りつけたり口に入れたりすると呼吸ができなくなる可能性があるため、必ず保護者の監督のもとで十分に注意するよう書かれています(出典:小林製薬「熱さまシート」製品情報)。
はがれたりずれたりしたシートが、口や鼻をふさぐおそれがあります。製品表示と上の資料をふまえ、次の点に気をつけましょう(出典:小林製薬「熱さまシート」製品情報、神戸こども初期急病センター「熱を出したとき(38度以上の熱)」)。
- 口や鼻に貼りつかないように注意する
- 保護者がそばで見ていられないとき(目を離す・一緒に眠るとき)は、はがしておく
- 貼り直しはなるべく避ける(貼りつきが悪くなるため)
夜、大人も一緒に眠ってしまうときは、シートをはがしてから寝ましょう。1歳未満はあお向けに寝かせ、硬めで傾斜のない寝具を使い、顔のまわりにタオルやぬいぐるみなどの物を置かないでください(出典:こども家庭庁「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」)。
誤食・かぶれ・年齢の表示
| 注意すること | 製品表示・メーカーの案内(熱さまシートの例) |
|---|---|
| 誤食 | 「誤食に注意」。小児の手の届くところに置かない |
| かぶれ | かゆみ・痛み・はれ・かぶれなどが出たら使用を中止。異常が残るときは製品を持って皮ふ科などに相談。傷・やけど・日焼けのある部分には使わない |
| 汗 | 汗をかいているときは、よくふいてから貼る |
| 年齢 | こども用は2歳からが目安。0か月〜2歳には赤ちゃん用。大人用は、乳幼児や小学校低学年にはメントールの刺激が強すぎる可能性がある |
出典:小林製薬「熱さまシート」製品情報、小林製薬「熱さまシート 赤ちゃん用」製品情報、小林製薬「大人用・こども用はそれぞれ何歳から使えますか?」。対象年齢や注意は製品ごとに違うため、使う製品の箱の表示を確かめてください。
シートやジェルを口に入れてしまい、受診が必要かわからないときは、中毒110番(大阪 072-727-2499、つくば 029-852-9999。一般向けは365日24時間)に相談できます(出典:日本中毒情報センター「一般の皆さま」)。のどにつまらせて呼吸が苦しい、意識がないときは119番です(出典:総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」)。呼びかけに反応がないときは119番通報し、呼吸を確認します。普段どおりの呼吸がない、または普段どおりか判断に迷うときは、ただちに胸骨圧迫を始め、指令員の指示に従ってください(出典:総務省消防庁「応急手当WEB講習」)。
熱があるときの家でのケア|水分・体温・解熱剤

熱があると体の水分が失われます。宇都宮市の資料では、湯冷ましや小児用イオン飲料などの水分をあげ、下痢がなければ氷菓など冷たい食べ物もよいとされています(出典:宇都宮市「38度以上の熱が出た」)。離乳を始める前の赤ちゃんは、母乳・育児用ミルクを基本にし、イオン飲料は医師の指示があるときだけにします(出典:国立成育医療研究センター研究班「乳幼児健康診査のための保健指導マニュアル」(厚生労働省掲載))。吐いてしまうときの水分のとり方は、別の記事で詳しく紹介しています。
参考:子どもが吐いたら経口補水液はいつから?量と飲ませ方の目安
体温は、熱に気づいたら30分後にも測り、経過を見るために朝・昼・夕に測るよう長野市の資料で案内されています(出典:長野市「熱が出たら」)。記録しておくと、受診や#8000で伝えやすくなります。
参考:赤ちゃんの頭が汗でびしょびしょになる理由と対策(汗が多いときに)
解熱剤は、医師の指示と添付文書の範囲で
宇都宮市の資料では、高熱でも元気そうなら、基本的に解熱薬で無理に下げる必要はなく、使い方は日ごろからかかりつけ医に相談しておくよう書かれています(出典:宇都宮市「38度以上の熱が出た」)。使える年齢・量・間隔は、処方した医師の指示と薬の添付文書に従い、市販薬は薬剤師に相談してください。
子ども用の冷却シートを選ぶなら(雑貨)
この記事では、商品表示・メーカー公式の情報・価格・公的機関などの情報をもとに選んでいます(実際に使用しての評価ではありません)。熱を下げる商品ではない点に注意してください。
2歳ごろからのおでこに:熱さまシート こども用 16枚(雑貨)
向いている人:2歳ごろからの子どもに、ひんやり感のあるシートを使いたい家庭。選んだ理由:メーカーの製品情報で、医薬品ではなく額冷却シート(寒さ・暑さ対策の製品)とされ、Q&Aで「雑貨品のため」こども用は2歳からを目安とする、と年齢の目安が示されています。サイズは約50×105mm、16枚入(2枚×8包)です(出典:小林製薬「熱さまシート」製品情報、小林製薬「大人用・こども用はそれぞれ何歳から使えますか?」)。注意点:0か月〜2歳には、メーカーが赤ちゃん用をすすめています。価格は597円(2026年11月時点の楽天市場の一例・税込。時期や店舗で変わります)。
買わなくてよい場合・家にあるものでできること
- 子どもがシートを嫌がる、すぐはがしてしまう
- まだ小さく、ずっとそばで見ていられない時間が長い
- 冷やすなら、おしぼりなどで首の両側・わきの下・太ももの付け根を冷やす方法もある(長野市)
子どもの熱と冷却シートのよくある質問
Q. 寝ている間も貼りっぱなしでいいですか?
様子を十分に見ていられないときは、貼ったままにしないでください。とくに乳幼児は、ずれたシートが口や鼻をふさぐおそれがあります。大人も眠るときは、はがしておきましょう。
Q. 冷やすと熱がこもらず早く下がりますか?
暑がっているときに冷やすのは、本人が楽になるためです。熱が続く、水分がとれない、意識と顔色に問題はないもののぐったりしているときは、表の目安で受診してください。呼びかけへの反応が弱い、顔色が明らかに悪い、または暑い場所にいたあと自力で水が飲めないときは119番です。119番のサインがなく、休日・夜間に迷うときは#8000に相談できます。
まとめ:冷却シートは気持ちよさのため。寒がるなら温かく
- けいれんが止まらない・意識がおかしい・呼吸が苦しそう・くちびるが紫色などは、冷やすより先に119番
- 生後3か月未満で38℃以上の熱、けいれんが止まって意識が戻ったあと、水分がとれない・おしっこが少ない、下痢や嘔吐をくり返した、熱が40℃を超えている、意識と顔色に問題はないもののぐったりしているときは夜間でも受診。けいれんが止まらない・止まっても意識が戻らない、嘔吐が止まらない、呼びかけへの反応が弱い・顔色が明らかに悪い、暑い場所にいたあと自力で水が飲めないときは119番。119番のサインがなく休日・夜間に迷うときは#8000(受付時間は都道府県で異なる)
- 冷却シートは熱を下げる治療ではない。気持ちよさそうなら使い、嫌がるならやめてよい
- 寒がる・震えるときは温かく、暑がるときは薄着にして、嫌がらなければ首・わきの下・足の付け根を冷やす
- 乳幼児はシートが口や鼻をふさぐおそれ。目を離すとき・大人も寝るときははがす。誤食に注意し、年齢の表示を確認
参考にした情報
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」
- 厚生労働省「子どもの症状は♯8000」
- 厚生労働省「上手な医療のかかり方」(子ども向けの資料)
- 神戸大学大学院医学研究科 小児科学分野「3ヶ月未満の児の発熱への対応」
- 長野市「熱が出たら」
- 宇都宮市「38度以上の熱が出た(子どもの病気 あわてず対処が基本です)」
- 神戸こども初期急病センター「熱を出したとき(38度以上の熱)」
- こども家庭庁「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」
- 総務省消防庁「応急手当WEB講習」
- 総務省消防庁「緊急度判定プロトコル」
- 厚生労働省「熱中症予防のために」
- 国立成育医療研究センター研究班「乳幼児健康診査のための保健指導マニュアル」(厚生労働省掲載)
- 日本中毒情報センター「一般の皆さま」
- 日本中毒情報センター「保冷剤の誤飲事故に注意しましょう!」
- 小林製薬「熱さまシート」製品情報
- 小林製薬「熱さまシート 赤ちゃん用」製品情報
- 小林製薬「大人用・こども用はそれぞれ何歳から使えますか?」
- 小林製薬「おでこ以外の部位に貼ってもいいですか?」
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、効果には個人差があります。症状が気になる場合は医師にご相談ください。商品の価格や仕様は記事執筆時点(2026年11月)の情報です。
